INTERVIEW

030 MUSIC UNIT「ミニキュート」

2007.07.05

 

僕はかわいいものは好きだけど、「かわいいだけ」というのは凄く嫌いだ。やりきれなくなる。なぜなら、それは「思考」を止める一瞬の快楽でしかないから。実用性のない消費物のように感じる。つまり、なくてもまったくこまらない。mini kyuteのサウンドを「かわいい」ポップ・ミュージックと表現するは簡単だ。でも、それはテストで50点しかとれない。正解は「かわいいだけではない」ポップ・ミュージックである。何も考えないポップは見苦しい。僕はサウンドといっしょに「なにか」を考えたい。それがいいレコード(CD)だと思っている。そんなコトを考えながら、mini kyuteのふたりにインタビューしてみた。
text by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)


NUMERO DEUX SPRCIAL 030
"mini STYLE" Interview With mini kyute
取材日時:2001.8.25(sat) 20:00-22:00/9.1(sat)20:00-20:30@FABcafe
取材協力 :FABcafe
SHINICHI ISHIKAWA(NUMERO DEUX)
Photograph by Tomohide Uchiyama
Art Direction & Design:NUMERO DEUX
NUMERO DEUX Copyright.

INTERVIEW WITH mini kyute(Saito & Rio)


■サイトウ/●RIO

—–音楽を聴きはじめたキッカケを教えてください?

■中学2年ぐらいですね。BOOWYなどのロックです。楽器をはじめたのは高校に入った時です。作曲をしたのは高校2年生ぐらいですね。それから聴く幅をだんだんひろげたくなってきて、それでよくあることですがロッキング・オンを読んで、それでティーンエイジ・ファンクラブを聴いたり、フリッパーズ・ギターを聴いたりするようになりました。そういう流れのなかでロック的形態より、ポップなものに魅力を感じるようになりました。

●高校生ぐらいのときからフレンチ・ポップスを聞くようになって…私は凄く田舎に住んでいて、想像がつかないぐらい田舎なんですけど(笑)近所にちっちゃくて可愛い雑貨屋さんがあったんです。そこでかかっている曲が好きになって、お店の人に曲名を聞いてみると、それがフランス・ギャルと知ったのです。それがキッカケで自分でいろいろ探すようになりました。

—–mini kyute結成のキッカケは?

■FABFAD*ですね。最初のときは3人**で。でも、そのときは具体的な感じではなくて、それから半年ぐらい連絡をとったり、とらなかったり、という状態でした。そのうち曲を作ったからやってみる?ということになって、それがまわりに聴いてもらったら評判が良かったのです。それからは、曲ができたら宅録というスタイルでカセットのリリースをはじめました。

—–作曲のスタイルを教えてください?

■僕が曲を作ってそれを他のメンバーに聴いてもらって、そして(RIOさんが)歌詞をつけるという感じです。場合によっては、その場で歌詞を即興的に作ってもらうこともあります。

●歌詞は今は英語ですが良い歌詞が書けたら日本語の曲も作ってみたいです。

—–CDをリリースすることになったいきさつは?

■もともとこのレーベルで、コンピレーションに参加したり、単独でもカセットをリリースしていました。コンピにはいろいろなバンドが収録されているのですが、気に入ってもらえたようでCDを出しませんか?というお話しをいただいたのです。まさか、出せるとは思っていませんでした。

●CDをリリースすることになって、びっくりしました。自分では趣味の延長でやっていたのに、それにお金を出してCDを出してくれるなんて嬉しいです。

—–今回のレコーディングのスタイルを教えてください?

■レコーディングのスタイルは基本的に今までと変わらない宅録のスタイルです。ただ、今回は高橋さん***にいろいろアドバイスをいただいて、全体的にいろいろチェックしてもらいました。CDを作る、という話になったときに、カセットを作っているときのレベルでは、だめなので機材とか…例えばマイクを買うところから全部教えていただきました。

—–お二人にとって音楽を作ることとは?

●もうひとりの自分を作っていくような…そんな感覚があります。自分は不完全な人間だと思うのですけど、バンドをやっているところでは、自分の良いところ、理想にしているところを出していければいいなと思っています。

■僕が音楽をやっているのは…たぶん音楽でなくてもよかったとは思うのです。たまたま最初に触れたのが音楽だったから選んだのかもしれない。だから小説書いたりでも良かったのです。最初に入りやすかったから、という理由で音楽になったと思います。表現したかった、というよりも黙って生きるのは退屈というか。やっぱり生活には色があった方が楽しいですし。だから曲を作るのも結構、自分にとっては自然で。minikyuteみたいな音楽をやっていると、「狙って作っているんじゃない?」とも言われることもあるのですが、そんなことはないんです。逆に作り終わってからこんな感覚が自分のなかにあったんだな、と気が付くことが多いですね。

僕は自分の音楽は理想の音を作っているとは思っていません。コントロールできない部分も多いし、そういうものではないから。考えてはいない…例えばツマミ一個いじるのも理論にもとづいてやる訳でないから、気持ちの良いほうに、良いほうに積み重ねていく感じ。3分くらいの短い曲でも、その中身は一個一個が、偶然の集まりみたいなものです。

—-おたがいの性格について教えてください?

●優しいですね…昨日も車に乗るときドアを開けてくれましたし(笑)。曲を作るうえでもちゃんと自分の意見を聞いてくれるし。

■華がある。僕にないものを沢山持ってますね。逆のタイプというか。だから、意見を聞くというよりも、聞きたい、という感じに頼りにしている部分も凄くあります。自分ではボツる曲だな、と思っていても彼女が歌をいれると良かったりする場合も多いですし。だから、このバンドは自分だけがコントロールしているような感じはないですね。

—-今後の活動のスタンスは?

●もっと曲を作っていきたい

■うん。シングルのようなものを、年に一回でも、今までよりは速いペースで作っていきたいとは思っています。コンスタントにリリースがあるようなバンドにはしたいと思っています。

*FABFAD 札幌で企画されているポップ&ハッピーチャームなパーティ。市内ではTMVGを最初にゲストにむかえた
**FABFADの中心的メンバー、ハシモト。現在はDJとして活躍。
***800cherries。札幌のバンド。東京のレーベル、クローバーレコードや海外のレーベルよりリリースをおこなっている。詳しいことはクローバーレコードのなかにバンド情報がある。

MESSAGE FROM Kozuai Askawa(Chocolate & Lemonafde)

*chocolate&lemonade
リリースとイベント活動の本格開始は’96年より。たくさんの理由と野望を持って始め、作る人にとって自分のやりたい事を表現する場、聴き手は気軽にお気に入りを探しに来られる場を作ることができたら、と思っています。

*mini kyute

’98年に札幌のバンドの音をいくつか聴かせてもらい、特に気になったのがminikyuteでした。冬に札幌でのFAB FADのパーティーで本人達に出会い、いろんな可能性を感じたのと、7inchがあったら欲しいと思ったのがリリースのきっかけです。(7"の予定でしたが、出来上がった音を耳にした時、この透明感をそのまま伝えたいと思い半ば強引にCD変更を提案したのです。)

*sanctuary

構想2年"ポップでキュート"だけじゃ収まらなくなってきたmini kyuteの存在感。固められた"sanctuary"は、〜っぽいとかジャンルで括ったりするのが難しい。様々な要素や色を包みこむ、音のバランス、センスの良さ、耳もとでかすかに弾ける甘いボーカル。更に800cherriesの高橋さんのMixも重なり、聴き流せない世界を確立している。 "sanctuary"をBGMにした空間で、何かを感じたり考えたり想像したりする時間が生まれれば嬉しいです。今後7inchのリリース予定も決まっているが、まずは、このCDを聴いて欲しいです。それはmini kyuteを知るための"sanctuary"でもあります。

   

                                   now on sale: C&L-021 ¥1,050(tax in)
product number: Chocolate & Lemonade 021
artist: mini kyute
title: Sanctuary

取扱店:
third ear(札幌) FAB cafe(札幌)
HIGHLINE RECORDS(下北沢) D.M.S.(渋谷)
maximum joy(渋谷) *arch records(名古屋)
    Time Bomb(大阪) art rock no.1(京都)jet set(京都) jet set(神戸)
    カメレオンレコード(福岡)

after hours 取材を終えて

インタビュー日はライブ&パーティの当日。そんな状況で気持ち良く応じてくれた彼らに感謝したい。そのイベントには800cherriesの高橋氏も来ていてライブのサポートもおこなっていた。
Shinichi Ishikawa(NUEMRO DEUX)

   


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