MAGNET26

Interview with pupa 高橋幸宏&原田知世

2009.06.29発行

MAGNET 26 “Floating Style”2009
Interview  with pupa 高橋幸宏&原田知世

北海道の夏のイベントいえば、ライジングサンロックフェスティバル(RSR)。

 昨年にて素晴らしいステージをみせてくれたYMOの高橋幸宏、原田知世、高野寛を含む5人のエレクトロニカ・ユニットpupa(ピューパ)のステージを本誌「マグネット」はとらえました。

 RSRでのステージでの写真と、高橋幸宏&原田知世 インタビユーで構成しました。配布は札幌市内を中心に7月より配布していきたいと思います。↓制作メモは以下に紹介しますね。

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表紙のデザインについて。表紙(表1)というのは毎号迷うところのなのです。アーティスト写真をシンプルにそのまま使うのもひとつの方法ですが、そういった方法は過去にやったことがあるので、今回は変った感じにすることにしました。

 ユニット名のpupaというのは「さなぎ」の意味です。そこから、ADが木に這うさなぎのモチーフで表紙のデザインを行いました。さなぎの表面の部分は各メンバーのユニフォームをトリミングして素材として使用してます。アーティスト写真を全面に出さないこういったデザイン方向として、うまくマッチしたかな、と思ってます。ADからラフがあがって時にいいね!と素直に感じました。

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▲表紙から開いた最初のリード部分。

 ここは表紙とは逆にアーティストについてわかりやすく。見開きでステージの写真を掲載して今号はpupaというユニット特集であることを明確に説明していきます。

 当日のライブが夕方の時間だったのが記憶に残ってます。夕方の撮影は初めての経験でした。

 夕方というのを気になる時間帯です。自然光が強い日中でしたら、それはそれでキレイに撮れます。完全に夜になれば照明が出てくるので、夜の雰囲気も出せます。自然光も少なく、照明も弱い「夕方」というのはとても微妙でうまく撮影できるか?と心配でした。結果的に写真はちょうどいい空気感がだせたかな、と思います。pupaというユニットの雰囲気にもマッチしたかな。

 ライブの撮影は一般的にはいくつかの制限があり、タイムリミットもあります。メンバーのステージでの立ち位置というのが重要で、ライブのセッテイングをしている状態でCとADとで「誰がどこに立つのか?」と考えます。機材の感じで予想ですね。また「原田知世は最初からステージにいるのか?」という疑問もあって、それも撮影のタイムリミットの関係で大切なことなのです。

 曲目リストはあるので、そこからライブ展開を予想して、撮影プランを考えます。ライブがスタートしてしまえば、後はフォトグラファーにまかせるしかないのですが、不確定・不明な要素が多くてもできるだけ事前の打ち合わせをしておくのは大事なことだと思います。準備あっての臨機応変が大事ではないでしょうか、なんて偉そうに書きつつ現場では僕は常にガクブルです。

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  高橋幸宏さん、原田知世さんの取材時間はお二人同席で1時間程度でした。ご両人とも個人的にファンでもあるで、いつになく緊張もしました。でも、取材というのはファンの視点でするのは僕は良くないと思ってます。それをすると、どうしても記事にインタビュアー(編集者・ライター)としての「顔」(キャラクター)が出てくる。僕はインタビュアーというのはできるだけ裏方でいるべきだと思ってます。限られた誌面で僕の顔なんて出す必要はないのです。

 誌面に僕の顔というのは直接的な形で出す必要はない、と考えます。自分の持ち味というのは誌面全体の編集によってにじみ出せればいいなと思います。

 ファンの視点だと読者がファンじゃないとわかりづらい記事になる可能性があります。ただ、誌面に編集者を前に出すべきか、出さないべきか、というのは方針の問題であって、編集者が全面に出る誌面作りというのもアリだとは思います。その場合、中途半端はよくない。出るなら徹底的に出る。出ないなら、出ない。そこをキチンとしないと読者にわかりづらい誌面になるのではないのでしょうか。

お二人の印象は、原田さんは、予想よりずっとハキハキとした口調でしゃべる方でした。といっても高圧的な感じではなくて、とても真面目に対応してくれている感じでした。礼儀正しいというか。若いころから芸能界にいた方ですからもう、そこで自然に身についた作法かなと思いましたし、それがあるか現在でも活躍できるのかなと思ったり。インタビューの途中で僕に話をふってくれた瞬間があって、そんなことは普通ありえないので凄くドギマギして、うまく受け答えはできなかったのですが、そういうお気遣いが凄く嬉しかったです。

 高橋さんは、根っからのアーティストという感じでした。ナーバスな雰囲気もあり、でも本音で話してくれる人だなと思いました。自分の生き方と音楽というのが、切り離せない関係にあるのだな、という印象があります。「自分は子供だから」という発言が素直に受け入れられる方でした。

インタビューはpupaのことから、お二人の生き方のスタンスまで、紹介できたと思っております。ぜひ、読んでいただければ幸いです。

石川伸一・MAGNET 


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