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’14NEWS No.41– 14.12.12「 FridayNight!vol.6 テーマ『世の中にない新しいことはじめます』」

2014.12.14

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「 FridayNight!vol.6 テーマ『世の中にない新しいことはじめます』」
NUMERO DEUX 14′NEWS No.40
日 時 : 2014年12月12日(金)19:00-
会 場:札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE
主 催:札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE
協 力:赤沼俊幸

金曜の夜にあるもの+
メディアプランナーとして、そのイベントタイトルの考察。

「 FridayNight!」は札幌大通方面にあるコワーキングスペース「札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE」(仕事場の共有サービス)で不定期に金曜夜に開催されるプレゼン&交流イベント。今まで本ウェブマガジンでも記事をつくっているので、その内容やコンセプト等は以下を参考にしていただければ。 ’14NEWS  No.31「 Friday Night Vol.5 女子クリエイターナイト!」 14′NEWS  No.212014.06.13 Friday NightVol.4 パフォーマーナイト

今回は後半でいつものように写真で当日の様子を紹介しますが、前半では僕が普段の活動としているメディア・プランナー石川伸一として本イベント「FridayNight」のタイトルのネーミングやデザインについて、僕が感じたこと書いてみますね。上のタイトル写真を見ながら読んでいただければ。「イベント」のブランディングの参考になれば幸いです。

まず「FridayNight」というタイトル。正直、個性的とはいえません(すいません)。SEOということを考えると、インターネット上では不利かもしれない。実際、タイトルのみで検索してみてもみつけにくいの実情です。でも検索ワードを「札幌 FridayNight」とすると、まったく問題がないとわかります。それよりも、このタイトルは読んだ「人」に対して(インターネットの検索エンジンではなく!)「金曜日にやるイベントだな」というのが、スッと認識しやすいのが、僕はとても良いと思います。 とりあえずユーザーは金曜の夜のスケジュールを意識しておくだけでいいのです。

みなさんご存知のとおり世の中には魅力的なイベントはたくさんあります。「たしか、あのイベント今月だよな」というのが頭にあっても、それが仕事等の義務ではなく、自由参加型のものだと日時の確認を忘れてしまい、行きそこなったり、(気の乗らない)先約を入れてしまい、失敗することもあるかと思います(ああ、忘れてた!)。 これが「FridayNight」なら、とりあえず「金曜夜」というのがタイトルからわかるので、頭の中で意識しやすい。

「そんなことはスマートフォンで検索したり、モールスキンにでもメモすればいいことでは?」という意見もあるかと。それもまったく正解なんだけど、僕は「人」の心に残るという部分重視したい(それに検索やメモというのは意外にできない場合があるのを自分の経験から僕は知っている)。「人」の頭の中で「今日は金曜だな。そうだ、フライデーナイトの日だな」というのが自然に心から頭に流れるタイトルだというのが、このネーミングのキモだと思います。

本イベントは自由参加型。だから「スケジュールにあったから」ではなく、自分の心から導かれてイベントに参加する流れがいい。そのほうがワクワクする。「憶えやすいタイトル、認識しやすい日時」という2つの利点を持つ良質のタイトルだと僕は思う。

次にタイトルロゴのデザインについて。「FridayNight」はアルファベットのセリフ書体(縦横の線の長さが違う。ウロコと呼ばれる突起がある)です。これも正直、タイトルロゴに最適な字体とはいえない(すいません再び)。一般的には、タイトルロゴにはサン・セリフ書体(縦と横の線の長さ同じ)のほうがデザイン的に目を惹く短いフレーズやコピーに適している。対してセリフ書体はほぼその逆の特性を持ち、長文を読ませるの適していて、クラシック(悪く言えばフツーな)な印象を受ける字体です。

僕はなぜあえて「FridayNight」がセリフ書体なのか想像でしかないのだけど、本イベントに関して例えばヘルベチカのようなサン・セリフ書体を使うとクールだったりスタイリッシュな印象になりすぎる気がします。タイトルロゴの添えてある可愛らしいイラストを見ると、本イベントはあまりスタイリッシュに感じさせる方向性を目指していないのが想像できます。その点 セリフ書体はどこか古めかしく、普通で親しみ度がサン・セリフ書体より高い。

「FridayNight」のタイトルロゴのデザインには「いろいろな人が集りやすい、親近感を持ってほしい」というコンセプトを僕は感じます。だから、セリフ書体だったのかなと思います。実際、僕は参加してみて、本イベントはエッジを効かせるイベントというよりも、「いろいろな人が楽しくあつまる、交流する場」というコンセプトのほうが強いかと思います。そういった意味では「 FridayNight」はロゴデザインと内容がリンクすることにも成功していると思うのです。

求められれば、僕はイベントのタイトルのネーミングやそれに伴うロゴデザインは、あまり凝った方向にはいかないほうがいいとアドバイスします。質問:「イベントのネーミングでぶっ飛んだ個性がいりませんか?」。回答:「結局、本質は内容なんですよ。ぶっ飛んだネーミングをつけたら内容がぶっ飛び訳じゃない。頭を冷やして内容から逆算して、ネーミングを考えるが大事です」。タイトルとイベント内容がきちんとリンクしているのが一番重要で、いくらタイトルまわりが素晴らしくても、内容とリンクしていないとユーザーに違和感の感じさせるものになってしまいます。

「 FridayNight」は、タイトルやコンセプト、そして実際の内容ともリンクして成功しているイベントであり、同時に、長くなるのでここでは書きませんが、内容の構成としてのフォーマットもとても洗練されていると思います。なので、ひとつのイベントの好例として、企画を考えている人も参考にするのもいいかと思います。

さて、後半はいつものようにレポートです。     fridaynight1
トップのプレゼンター。酒井秀治は特定非営利活動法人のサッポロ・ミツバチ・プロジェクトにて「都会で蜂蜜をつくる」というユニークな活動をしている。具体的には巣箱を都心のビル屋上に設置。都市にて養蜂を実践しながら環境問題について考えるキッカケや、ミツバチの知られざる生態について、興味を持っていただければ、 とお話をいただきました。ミツバチの知られざる生態には興味深いお話でした。

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次のプレゼンター長岡行子(VESS代表)は「誰もが繋がる繋がりあえる未来を創造していく」がテーマ。彼女は 道内十勝管内の福祉施設などに出張理美容サービスを行っている美容室「VESS(ベス)」の代表。その活動は理美容だけではなく、その他のサービスの提供やコミニュティスペースのサポートもおこなっている。これからの時代、ますますニーズがあり、かつ大切な活動だと思いました。

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3番目のプレゼンターは山本由起夫(株式会社エンターリム代表)は自分のプロジェクト「リーダーストーリーライター」について説明。その内容は道内にある紙ベースの「地域文芸誌」をインターネットを活用して、朗読コンテンツとして、専用アプリケーションを開発して提供していくという内容。地域文芸誌にはローカルに根ざした独特の魅力があり、小説家デビューの土壌になっている場合もある。現状では、その地域でしか読むのが難しい文芸誌が、ネットを活用して「朗読」として楽しめるの凄く可能性を感じる。

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ラストのプレゼンター澤村貴雄(シュールボックス代表)の「障がい者のIT技術者をつくる」というテーマ。障がい者が学べるIT技術者養成施設を来年4月開設予定。障がい者の本当の自立を目指しているとのこと。「3D」(プリンタ)「教育」「福祉」を組み合わせた発想についても。お話をいただいた。現在、自分のプロジェクトについて、クラウドファンディングをおこなっている。http://readyfor.jp/projects/freeskyroad

Text&photo  by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)


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