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NEWS ’15No.02– 2015.1.20「ラボから生まれるアート -ライゾマティクス」

2015.02.16

真鍋
NUMERO DEUX NEWS 2015No.02
2015.1.20「ラボから生まれるアート -ライゾマティクス」

テクノロジーとセンスについて、考えた時間。
〜実験と立場を考えたクリエイティヴ。

「技術よりセンスだよ」というのは正しい。逆の「センスより技術」にはならない話。でも、こういった見方は現在では、あまり正確ではなくなっていると思う。「技術」(つまりテクノロジー)とセンスについては、切り離すことなく柔軟に考えないといけないと思う。なぜなら、今の僕たちの世界は技術の上になりたっているのは明確なことだから。

ライゾマティクスは、東京にあるウェブデザイン、インタラクティブデザイン、グラフィックデザイン等の会社。こう書くと、どこにでもあるような会社であるが、パフュームの舞台演出や東京オリンピック招致のプレゼンテーション映像等で、斬新なテクノロジーを活用した表現を組み合わせたセンスの良さで、国内で突出したクリエイター集団のひとつである。札幌でいうと昨年開催された札幌国際芸術祭で、メンバーである真鍋大度が坂本龍一がSensing Streams というモエレ沼と地下歩行空間に発生している周波数をビジュアルとサウンドにした作品をモエレ沼公園で展示したことも記憶に新しい。

ライゾマティクスの中心人物、真鍋大度+石橋素のトークイベントが市内の美術、デザイン大学の主催で行われた。会場は市内中心部にあるクリエイティヴをテーマにしたお店、ミライストカフェ。開始少し前に行ってみると、開場がすこしドタバタしている。知り合いのスタッフと話をしてみると、雪のせいでゲストの到着が遅れているとのこと。たしかに、お店前の市内中心部の道路でさえ、車が雪をかき分けるように走っている。交通機関に不具合があっても不思議ではない。主催者の気持ちを考えると、これは大変だなと思う。札幌のこの時期にゲストを呼ぶ場合には気をつけるポイントであろう。30分程度の遅れで開始。良かった。良かった。司会がとりあえず進行スタートした途中でゲスト登場という感じである。

内容としては、司会とゲストの2人がトークを重ねながら、プロジェクターで作品画像等を紹介する形で進められた。パッケージングされたスライドショーを流して行く感じではないので、それだけライブ感があってとても良かったと思う。ゲストのトークの中で、クリエイティヴについて僕が印象に残ったことは2つあった。ひとつは常にテクノロジーをつかった表現方法について、実験を繰り返していって、かつそれを外部に見せるエキシビションをおこなっていること。大変多忙になった現在でも、自分たちのアイディアによる実験を予定していると話していた。もうひとつは、プロジェクトごとに自分たちの要求される役割を意識するということ。以上の2点からわかることがある。それはライゾマティクスの表現はとても斬新で目新しいが、それを生み出す方法論は、極めて基本的な発想から生まれている。実験して、見せること。そして、自分たちの立場を考えること。これはあらゆるクリエイティヴ分野で有効な方法論だと思う。

これからのクリエイティヴを考えていく中でテクノロジーのはたす役割は大きい。僕はそれを紹介していく立場でも、テクノロジーについてもっと勉強すべきだと思った。

本イベントの具体的な内容について、札幌のアート系ウェブマガジン
ART ALeRT に大変詳しい。興味があればぜひ読んでほしい。
http://artalert-sapporo.com/features/post/19

Text&photo  by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

 

メディアアート・ラボから考える都市文化 vol.2
「ラボから生まれるアート -ライゾマティクス」

開催日時:2015年1月20日(火)19:00〜21:30(受付開始 18:30)
会場:MIRAI.ST cafe
住所:札幌市中央区南3条西5丁目1-1 ノルベサ1F 入場無料
主催:札幌大谷大学、札幌市立大学
ゲストスピーカー:真鍋大度+石橋素(ライゾマティクス)
司会:小町谷 圭(札幌大谷大学 美術学部)、石田 勝也(札幌市立大学 デザイン学部)

 


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