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NEWS No.16045「阿部典英個展『ア・ラ・カルト』」

2016.08.03

916阿部典英

NUMERO DEUX NEWS 16045 札幌のアートなニュース。

苦手なこと。
未来につながる、
力強さ。

自分の弱さを感じる時。心はいつも不安定にゆらゆら揺れている。不用なノイズに包まれていて、必要が奥へ奥へと隠されていく。そんな心の整理はどうすればいいのだろう?いろいろ繊細な方法はあると思う。僕はそれをちまちまと実行する。実は、そんなことより一番の解決方法がある。それはシンプルな「力強さ」。それで突破をすればいいのだ。でもねぇ、なかなかできないし、苦手だし、嫌い(笑)。でも、自分の人生の良い転機には意識的にも、無意識的にも「力強さ」があった。それは認めざるを得ない。

阿部典英は北海道を拠点とする現代美術家。そのキャリアは60年以上。現在も第一線で活躍し、アート教育や、国際交流にも貢献している。その平面作品の個展がホテルのロビー空間を使ったギャラリースペースで開催された。同氏は人々を圧倒するダイナミックな発想の立体造形作品を国内外で数多く発表している。実績や評価に捉われることなく、一点一点の新作が、今なお表現の進化を続けている。今年10月3日~11月5日には、中国ハルビン市の黒龍江省美術館でも個展が開催される。

僕はふつう静的だったり、ミニマムな作品が好みである。その視点からいくと、阿部典英の作品は好みではないように思える。しかし、実際その作品の目の前にすると、どうしようもなく作品に惹きつけられるのはなぜだろう。どうして、こうも魅力的なのだろう。そもそも自分の中の「好み」って何だろう?実は自分の好きな事を定義するのって、大変難しい。振り返ると好みは変化していっている。人は一生をかけて自分の好きなことを定義していくのかな、と思う。

そう考えれば「今の好み」って、暫定的なことだし、曖昧だと思うのだ。話を戻そう。なぜ、本展示に惹かれるのか?それは、表現からあふれる「力強さ」に対する憧れと、必要性を感じるからだと思う。つまり、阿部典英の作品には、上辺の好みを超えたところの「力強さ」の魅力がある。そこに人生の方向性を変えられる、ポジティヴで心奥まで照らされる。そんな気持ち良さがある。本展示では、それらを感じに観にいって欲しい。そして、あなたの人生に照らし合わせられると、とても素敵だと思う。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「阿部典英個展『ア・ラ・カルト』」
会期:2016年7月2日(土)~9月16日(金)
会場:クロスホテル札幌
住所:札幌市中央区北2西2 ミートラウンジ


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