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NEWS No.17013-6「加賀城匡貴『お~、あ~、へ~』展」

2017.02.19

加賀城匡貴「お~、あ~、へ~」

 

僕が小学生の頃。西暦2000年というのは、すごく未来感があった。スタンリーキューブリックの映画「2001年宇宙の旅」。その作品では人類は木星を目指し、神の領域について考えていた。さて、2000年も17年も過ぎつつある。窓から見える光景は小学生の頃、想像していたより変わらない。動く地面も、空飛ぶ車もない。しかし、インターネットが生まれて、風景の変化は少ないが、人間の内面が大きく変わったと思う。人類は木星には行ってないけど、人間の「内面」は木星に行くくらいに違ってきている。

それは何か?凄く簡単にいうと、いろいろ「ヤル気が起きない」時代になっていること。手のひらサイズのスマートフォンには、秒速のスピードで情報が届けられる。そんな状況で僕たちをなにを考え、発信しなければならないのか…その速さにあわせる(ためだけに)SNSの「投稿」ボタンを押すしかないのか。それに疲れて「ヤル気が起きない」自分になっていないか。まず、そんなコトから離れて考えることが大事だと思う。僕はインターネットは否定しないし、便利だと思う。でも、自分のすべてをそこに合わせる必要はないのだ。

加賀城匡貴は1975年、札幌市生まれ・在住。ボーンマス芸術大学映画&アニメーションコース中退。ステージパフォーマンス、写真、グラフィックなどで、ユーモアとアイデアにあふれた作品を発表。海外留学・放浪、ラジオ番組制作を経て1999年「スケルツォ」をスタート。映像、音楽、ナレーションのセットでライブを行う。2012年、NHK Eテレにて「ミ・タ・テ」が放送。同番組で、札幌ADC準グランプリ、東京TDC賞ノミネート。13年、札幌市都市景観アドバイザー。16年、500m美術館「ズレ展」に出展。このほか「おとどけアート」「こどものための脳みそ遊び場」など、イベントやワークショップに取り組む。著書に「脳トレ!パッとブック(国語で脳トレ!、社会で脳トレ!、算数で脳トレ!、理科で脳トレ!)」(教育画劇)。…という、アーティストの初の個展。

札幌駅から近い都市の中の静かなギャラリー。少なめの平面作品がシンプルに展示。本作品を自分の心だけで楽しんでほしい。その方法は自分なりでいい。美術鑑賞というより、一種の「遊び」である。加賀城匡貴の表現について「考えて」みる。それは作品との双方のコミニュケーションであり、受信だけの行為と異なる。ネットのようにスピードに追い立てられることもない。加賀城匡貴の作品には「隙間」の魅力があり、あなたのペースにつき合ってくれる優しげな余裕もある。作品は販売もしている。本作品はいつまでも古くならない。良いアートとはそういうものだ。

ishikawa
Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

加賀城匡貴「お~、あ~、へ~」展
2017年2月7日(火)~3月13日(月)
眺望ギャラリー テラス計画(札幌市中央区北2条西4丁目 赤れんがテラス5階)
開館時間:10:00~20:00

scherzo featuring 加賀城匡貴「お~、あ~、へ~」展
日時:2月26日(日)17:00~19:00 ※開場は30分前
出演:加賀城匡貴(na)、森脇俊文(na)、日之出家金助(rakugo)、加賀城史典(pc, key)、小野健悟(sax)
料金:2,500円
定員:30名(先着申込制)(定員に達しました)

アーティストトークもあります
ゲスト:石川伸一(芸術・文化系ライター/エディター)、司会:森脇俊文

ワークショップ|
アートたんけんたい
日時:3月05日(日)13:00~15:00 ※開場は30分前
出演:加賀城匡貴
料金:無料
対象:どなたでも(小学校低学年以下は保護者同伴でお願いします)
定員:30名(先着申込制)
申込/問い合わせ:kagajo@scherzosketch.com

見る、そして、思うだけで作品
身の回りにある面白い形や色を見つけることを楽しみます。(手ぶらでOK)

協力:札幌駅前通まちづくり株式会社


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