毎日の字間

2017.12.31-9 映画の琴(コト)「コブラ・サンダーボルト」

2017.12.31

コブラサンダーボルト
「コブラサンダーボルト」(1984年)

Amazonプライムヴィデオで無料で観た。最近、なぜか大量のB級アクション映画がアップされている。なかなか注目です。本作もそのひとつ。タイで制作されたアクション作品。正直、無料でなければ観なかったかもしれません。これが昔ならTVで夜中や週末の日中に放映されているような作品ではないでしょうか。<以下内容に触れます>。

「コブラサンダーボルト」とは「大佐」が設計した高性能戦闘車両。その設計図を狙う悪人と、大佐に恩義を感じる主人公が大佐の娘と力を合わせて戦います。アクション映画のジャンル「秘密兵器もの」。アメリカのメジャー作品では「ブルーサンダー」みたいなものです。

作品の構造はシンプル。前半にいろいろ人物・状況設定が描かれた後に、大佐の妻が誘拐、その後は大佐も誘拐される、というフックがあり、そこからさまざまなアクションに流れていきます。ラストでは敵基地を主人公はコブラサンダーボルトに乗って襲撃。大佐の娘は背負って空を飛べるマシン(パーソナル・ジェット?)で加勢します。それは防弾装備なしの激遅なので、もの凄く標的になりそうで心配。大佐を救出すると、大佐がコブラサンダーボルトに乗り込んで戦います。一人乗りなので、主人公は外に出て援護。2人くらいのれそうなスペースはありますが。最後は男気ありそうな敵は正面対決で敗北。ずるそうな敵はさっさと逃亡。このへんの描写は妙に細かい。

僕はタイ映画のレベルはよくわかりませんが、お世辞にもハリウッドの有名作品に比べればチープな雰囲気は隠せません。でも、こうした映画の定石をよく研究して、アクションもがんばっているな、という印象です。大佐と主人公の関係性は「ランボー」を思わせるところがあり(本作は「ランボー」から2年後の作品)ヒロインや他の女性キャラクターの描き方も心得ている。アクションシーン以外の撮り方や編集は、手抜きとい予算不足が見えますが、アクション映画をつくる心意気は感じられる、結構愛せる作品でした。

ishikawa
Text by  アート/メディア  リサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


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