NEWS

NEWS No.180619「サイコドラマcafe in ギャラリーHANA」

2018.06.19

33964414_1811389962240677_8309013060480139264_n

「サイコドラマ」を体験する!
自分を演じる。
自分を演じる他者を見る。

 

僕は毎日をなんとかやりすごす。それはやり直しのできないドラマの連続体。自分の生き方、考え方の集約と結論。そんな大事ことなのに自分の毎日「人生のドラマ」について考えることは、驚くほど少ない。考えるのは(ぼんやり)とした先のことばかり。「先が大事?」そのとおり。でも、実は自分の未来を作るのはふだんの行動や態度。だが、自分だけで自分をみつめる作業は難しい。自身について考えてみるいい方法はないだろうか?今回はそれをひとつ紹介しよう。

サイコドラマは国際集団精神療法学会の創始者でもある J.モレノによって開発された集団精神療法技法。即興劇のある心理的ワークショップ。でその目的は参加者個人の問題や、日常を見つめなおすことである。今回のワークショップ講師の前田 潤教授はサイコドラマについて30年以上のキャリアを持つベテラン。定期的にサイコドラマのワークショップを開催している。僕は今回はじめて参加してみた。僕は「心理」をテーマにしたワークショップに参加するのは初めて。これからその様子と感想を書いていきたい。

会場では椅子が円形に並べられ、参加者も講師もそれに座る。今回の参加者は5名。うち学生さんが2名、社会人が3名だった。講師にはアシスタントが1名。サイコドラマとは僕流にいうなら自分についてのちいさなドラマを演技するワークショップ。講師は「監督」。参加者は「俳優」兼「お客さん」。開始時間になるとただちにスタートした。

最初は簡単なオリエンテーションと、参加者の自己紹介。そして本編となる。いろいろなパターンがあるようだが、今回は小道具としてカラフルな布が用意されていた。そして、参加者ひとりひとりが「布」からなんらかの自分の出来事をイメージしてもらい、即興の「ドラマ」を演じる。役者は参加者。演技に迷えば講師の「監督」がアドバイスをしてくれる。そして、特徴的なのは自分の演技を他の参加者がコピーして演技することもある。その他、講師の指示によって、さまざまな視点のドラマが展開される。参加者は「役者」として演じることもあるし「観客」として他人のドラマを見ることもある。どちらも、日常にはないピリッとした体験である。

僕の感想は「自分のドラマ」について、普段は自分の内面だけで(なんとか)処理されているようなコトがある。それがサイコドラマによって客観的に(気分よく)認識できた。僕はこれにとっては、とても良い気分転換であった。自分の気持ちを自分の内面だけで処理するのはどうしても、無理に言い聞かせているようで、スッキリしない。深くは納得できない部分ができる。それをサイコドラマで演じることによって、他者が自分を演じること等を通して、スッと心に入ってきて自分の気持を処理できた。この心地良さが、僕にとってサイコドラマの魅力である。

本ワークショップは決して、劇的な転換を感じさせるものではない。でも、そのほうが信用できるし、優れたアート作品に出会ったような、気分の良さがあった。機会があれば体験する価値はあると思う。

「サイコドラマcafe」
日 時:2018年6月7日(木)18:30~20:30
参加費:2,000円(お菓子・お茶代含む)
定 員:12名
講 師:前田 潤(北海道室蘭工業大学 教授、臨床心理士)
※次回サイコドラマCafeの予定等については以下を参考にしてください。
講師前田潤教授のFacebook
https://www.facebook.com/jun.maeda.370

ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 


ARTICLE

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

CLASSIC CONTENTS

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top