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壁から生まれる未来〜 500m美術館 vol36 500メーターズプロジェクト008 「おこもろいな」—そんなこともあったね—

2022.02.17

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〜展示を観る
壁から生まれる未来
「『おこもろいな』—そんなこともあったね—」を観て歩いて。

地下鉄に急ぐ。走る。エスカレーターを左通行。ぶつかりそうになる。「すいません」。知らない人に僕はマスクごしに気持ちを伝える。ソーシャルディスタンス。建物に入ればアルコールポッドで消毒。体温センサーが僕の額をとらえる。僕(たち)は慣れはじめている。

そんなうずまく現在進行の「今」。僕たちを未来をどう考えて、やり過ごしていけばいいのか。
やり過ごすでいい?

「そんなこともあったね」といつか笑って言えるような思いを込めて、アーティストと企画グループによる壁面作品の展示「『おこもろいな』—そんなこともあったね—」が開催された。

無邪気とも思えるドローイングの中に、思慮深いフックが感じられる。本作は、新型ウイルスと政治やイデオロギーとか、と離れたところに「ある」と感じられるのがすごくいい。もっとシンプルに無邪気に優しく考えようよ、問われているようだ。

夢が見られない社会は不幸である。未来を語れない社会は不便だと思う。マスクも、消毒剤も続いていくかもしれない。でも、それ自体は不幸ではないかもしれない。「おこもろいな」とは、状況というより思想の進化なのかもしれない

過去の楽しさより未来への希望。いろいろなとこが進行形のがいいよね。

だって、つまり未来がある。大事なのは捉え方。

「500m美術館 vol36 500メーターズプロジェクト008」
「おこもろいな」—そんなこともあったね—
2021年12月11日(土)〜2022年4月13日(水
500m美術館

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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帰り道、頭の中の美術展〜Hirofumi Abe / The Writing of Papers

2022.02.06

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頭の中の美術展

頭の中の美術展〜阿部寛文の展示をめぐって。

美術鑑賞の楽しみの半分、それは帰り道である。自宅を目指して歩いていく。冬ならば足早になる。頭の中には展示の思い出。もう目の前に作品はない。あるのは心のイメージだけ。それが動く背景を頭に取り入れながら反芻していく未来に。そこから作品について考えていく。心の中で自分と作品が重なっていく。この頭の中の融合作業も美術の楽しみだと僕は思う。

ベルリン在住の阿部寛文の展示会が、札幌大通のはじっこにある「古道具 十一月」にて開催された。

中に入り、右にまがるとすぐ作品が目に入る。印象。作品は刺激的で、同時になんと静かなだろう。もう、ここに30年いや300年か?くらいあったように感じられる。会場が映画の場面のように静かに呼吸している。思わず遠巻きに後ろに下がる。

作品に近づく。呼吸にあたらないように。ドローイングの中にあるたしかな「生の記憶」。見るごとに作品自体が変化するように、僕に話しかけるような感じる。それはあくまで控えめに。「今日はどうでした?」というように。

展示の場所もいい。これがホワイトキューブだと印象がたいぶ変わっただろう。それがナシとは思わないが「十一月」に展示することによって、作品は会場の雰囲気と一緒に記憶されるものになった。

だから。僕は帰り道作品と一緒に会場の「十一月」もまとめて思い出す。映画のシーンのように、誰かとの思い出のように。そして、気持ちよく若さと成熟の同居を考える。

僕は氷で滑らないように気をつけながら、この空間でずっと居る自分を想像した。そして地面に目を下ろすと氷の半透明に中にある何かと重なった。

やはり、美術展は帰り道も楽しい。

Hirofumi Abe exhibition
The Writing of Papers /「紙が書く」
期間:2022.1.27-1.30
会場:古道具「十一月」(南2西8)

https://abehirofumi.com/

Hirofumi Abe exhibition
The Writing of Papers  /「紙が書く」
期間:2022.1.27-1.30
会場:古道具「十一月」(南2西8)

https://abehirofumi.com/

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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楽園のある時、僕は。

2022.02.06

pusan

名画を勘ぐる。
死と楽園

近道をしたかった。夜のビルの間を歩いていると暗闇から「ラクにしてやるよ」なんていわれたら。怖い。気持ちが飛んでいく。

楽園とは何だろう。「楽」とつくのだから、ラクなとこだろう。

本作をはじめて見たときは、名作絵画なんだろうなぁ、と思った。プッサンって、アカデミックだなぁ、新古典主義ダビッドみたいな?という気分となった。何度も見ると、どうも違う。記念碑のような写真感がない。絵としての完成度のほかにどこか魅力がある。

ただし「これは宣伝です」とクレジットが入る感じではない。なんとも不思議に飽きないし、宗教的でもない。ポイントなんとも気持ちの良さも感じさせる人物の構成力だろう。

そして、それぞれのキャラクター。ポーズを決めたり、困った顔をしたり。冷静だったり。なんとも人生の喜怒哀楽ともいえる。背景の無国籍感は逆にヌケが良く気持ちいい。清々しい。

古典指向もありつつバロック的鋭さもある。というのはお値打ちな作品である。本作は楽園(アルカディア)にも死があることに困惑する牧人たち、すなわち「人は死ぬ」ということを表現している解釈らしい。

僕はまだビルの間を歩いていく。楽になったかどうかはわからない。ただ、前にある光を目指して
歩くだけ。最初にもどる。

作品データー
「アルカディアの牧人たち」(1639年)
ニコラ・プッサン
ルーブル美術館(フランス)

 ishikawa
Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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