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NEWS『外来生物ってなあに?~人間の活動が引き起こす環境破壊~』

2019.01.19

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カブトムシは北海道では外来生物。
みつけたら駆除しなければならない

または、責任もって最後まで飼うこと。

「外来生物」というのをご知っているだろうか?
僕は最初に聞いた時、なんだか宇宙からやってきた「謎の生物」というイメージだった。もちろん意味は違います。

この「外来生物」をテーマにした講演会が登別市主催で開催されました。お話をいただいたのは、加藤康大さん。北海道伊達市を拠点にする「NPO法人いきものいんく」(2012年活動開始)の代表です。

僕は、登別市の環境委員をやっています。昨年の秋に来年度の環境講演会の人選の会議がありました。僕が面識のあるいきものいんくの加藤さんを提案。市と委員の賛成を得て今回の講演会となりました。

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▲  会場はクリンクルセンター。こどもからお年寄りまで幅広い年齢層が集まった


いきものいんく
は「野生児キャンプ」という子供たちを対象の野外学習や学校等での授業を通して「自然の生き物のつながりを学ぶ」活動をしています。

加藤さんは、もと自然保護官補佐。環境省洞爺湖自然保護官事務所にて、支笏洞爺国立公園の管理業務をしていました。具体的には、外来生物の防除や希少種の保護など野生生物業務の他、山岳地域のパトロール、地域児童の環境教育です。「いきもの」の専門家だといえます。

本講演では大変興味深い話が聞けました。以下、僕なりのまとめを書いてみます。テーマの「外来生物」とは、もともとその地域にいなかったの生物。人間の故意や過失によって、他の地域から入ったために、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすことがあります。

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▲  加藤さんは外来生物の標本や捕まえる網をみせてくれました

地球のさまざまな場所では長い年月で作られた固有の生態系があります。そこで(植物を含む)生物のバランスが保たれていて、そこ固有の自然が成立しています。ところが、そこにちいさな虫数匹でも「外来生物」が入ってきて増殖したとします。

すると食物連鎖のバランスは崩れ、その場所の自然が破壊されたり、そこのいきもの一部が死滅したり、異常に増殖する可能性があります。本当にちいさな少しでもです。その外来生物の被害を人間自身が引き起こしています。

例えば勝手な都合で、観光目的や飽きたペットを野に放つ、という故意の場合もあります。車・船・飛行機といった人間しか持たないテクノロジーの荷物の中に外来生物がまぎれこんで、過失により持ち込まれる場合もあります。

講演の最後スライドでは、わたしたちが外来生物について、できることを教えてくれました。わたしたちのできることはペットは最後まで責任を持って面倒をみる。外来生物の状況について関心を持ったり、みんなと話題にすることだと感じました。

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▲  最後にわたしたちに「できること」を教えてくれました

ここから、 加藤さんの「いきものいんく」について補足を書いてみますね。

「いきものいんく」のパンフレットや、ウェブのデザインやイベントチラシ等の宣伝物は、札幌在住のグラフィックデザイナーrocketdesignがおこなっています。楽しげで、グラフィックに遊び心があるのが素敵です。そして、わかりやすい。

また、年に一回「いきものいんくの写真展」という自然の中で学ぶ子供達の姿をプロのカメラマンが撮影した写真展も開催しています。

こうした小規模な団体でアートディレクション全体に気を使っているところって、まだまだ少ないと思います。ここに加藤さんのこだわりが感じられます。デザインにも気を配るということは、単なる見てくれの問題ではありません。

「いかに多くの人にいきものについて関心をもってもらうか」という加藤さんの強い「伝える」ための意識だと思うのです。

僕は昨年夏にいきものいんくが主催する「野生児キャンプ」を見学させていただきました。小学生と混じって、森の中を歩いたり、川辺に行ったりして「いきもの」について学びました。その中で印象的なのは、その集団行動の中で最大限「こどもたちの自主性」を尊重するということです。

グループ決めや、川に入る時の自分の身支度など、キャンプでは寝る時間も自分たちで決める。もちろん、加藤さんらスタッフは常にうしろで目を光らせて、安全には常に気をつかっているのはわかりました。でもできるだけ手伝わない姿勢。

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▲  洞爺湖使用している外来生物ウチダザリガニを捕獲するカゴ

きっと、加藤さんとスタッフが、子供たちをリードして、すべて仕切ってしまえば仕事としては一番楽でしょう。でも「野生児キャンプ」は単なる娯楽としての遊びの場でありません。「教育の場」と考えれば、外来生物の危険性という「知識」と同時に、その危険を「自分の意思」で考えていく場なのです。

そういえば、今回の講演でも加藤さんはいってました「カブトムシは北海道では外来生物です。だから、つかまえたら殺さなければいけません。でも、子供たちがどうしても飼いたい、といったら持ち帰りを許します。そのかわり最後まで必ず面倒をみること約束させます」

加藤さんは「いきものの話しなら、何時間でもできます」という言葉が印象に残っています。
こういう自然保護に対して「情熱」を持った人が必要だし、僕たちは関心を持たないといけない。

加藤さんは決して極端な考えを持っている人ではありません。環境省のウェブサイトをみていただければ、加藤さんのいっていることは一般的な見解だとわかる。今回の会場にはいきものいんくの「野生児キャンプ」に参加したことのある子供達も来ていました。

加藤さんは、講演の合間に子供に質問を投げかけ、優しげにやりとりをしていた。子供たちのことばを真剣に受け止め、否定せず、子供達に考えさせて、答えを導くところは、まさに良き先生でした。

お子さんをお持ちの方は、いきものいんくの「野生児キャンプ」などのプログラムの参加を検討してみて欲しい。社会人の方は、加藤さんは今の時代の魅力的なゲストスピーカーとして、講演等の依頼を検討してみてはどうだろうか。いきものの話とは、社会のはなしなのだから。

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▲  加藤さんは「いきもの話」なら何時間でもできると、話す

NPO法人いきものいんく  ウェブサイト
http://ikimonoinc.jp/

『外来生物ってなあに?~人間の活動が引き起こす環境破壊~』
登別市民憲章制定50周年記念平成30年度環境講演会
日 時:2019年1月12日(土)15:00〜17:00
主 催:登別市
場 所:クリンクルセンター1階市民ギャラリー

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Text by メディアリサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
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ふりかえり2018年「6月 水石という(知りたい)世界」

2019.01.18

水石

2019年1月。今月は月ことに昨年を振り返り、
今年のことを考えていきたいと思う

2018 年 6月のコト

石の中に、
自分なりのセンスが 
感じられれば嬉しい。

「水石」とは「すいせき」とよびます。

簡単にいえば「石」を飾って、そこにさまざまなイメージを感じとり、楽しむ行為です。ルーツは中国であり、日本では南北朝時代からあったといわれています。「水石」は、はじめて聞いても「盆栽」はご存知の方も多いと思います。

水石と盆栽は「車の両輪」といわれ、一緒に展示される場合があります。「水石」とは石を室内に飾って、その石からひろがる自然のイメージを感じとるという「山水景石」ちおいう言葉から来ていると考えられています。

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正直、すこしわかりづらい。水石を知ってくると「山水景石」というのが、なかなか味がわかってくるのですが、とっかかりは難しい。だから「鑑賞石」といったほうがいいんじゃないか、という方もいます。それはそれで少し味気ないかなと思います。

僕は3年ほど前に偶発的な出会いがあり、水石をはじめました。
水石の本を読み、交換会で買ったり、石を採ったり、展示を見にいったりしています。そして、盆栽の会に入って、その年の春と秋の展示に室蘭での展示会で出品させていただいてます。札幌での展示会も出品はできそうですが、今はこの2回の展示で十分です。

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今年の6月に「緑寿会 春季盆栽展」無事終了しました。今回僕は「豊似石」を出品。この石は北海道豊似山地で採れる山石。川の石にくらべて尖っていますね。一見、クセがあるのですが、フォルムが山形なので落ち着きはいい。「水石」は石自体の加工はNGなので、ホント見立ての世界だと思います。  もっと勉強していきたい。

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ふりかえり2018年「5月 『好き』を『メディア化』するワークショップ」

2019.01.14

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2019年1月。今月は月ことに昨年を振り返り、
今年のことを考えていきたいと思う

2018 年 5月のコト

札幌のギャラリー「テラス計画」にて
「好き」を実体化してみた
参加者の表現に驚く

山岸奈津子さんの企画「スキドコプロジェクト第一弾企画展『好きを分解する』展」この展示の中のイベントとして「好き」をテーマにしたワークショップをやらせてもらった。僕の専門はメディアづくりなので、それをテーマにした内容にしたかった。

「メディア」と「好き」は相性がいい。
そこには2面性があって、「好き」なことを紹介されている「メディア」をみる。というのと、「メディア」によって「好き」になる。ということ。相反することにも思えるが、そうでもない。僕たちの「好き」というのは実に「あいまい」で相対的である。

ただ自分で今回のようにワークショップという形で「好き」を「メディア」としてつくるのは何のリスクもないので、実に気軽でやりやすい。

僕は絶対的な「好き」というのはほとんど存在しないと思う。あれば、狂気である。なぜなら、僕は「どんなリスク(犠牲)を払っても『好き』」なことがあるか?と聞かれれば「ありません…」ということになる。みんなそうじゃないかな。だから「好き」とは自分の能力、環境、健康、家族、仕事、生活などなど

ワークショップでは、古雑誌をいろいろ用意して、雑誌から切り取ったものえお素材にして自分の「好き」を表現するA3サイズの作品を作ってもらうコラージュをおこなってもらった。参加者には小5の女に子がいて、実にしっかりと自分の「好き」をビジュアル化していて驚いた。

このぐらいの年齢で「好き」というをロジガルに表現できるのだなと思った。思い起こせば、自分も若いほうが自分の好きをストレートに表現できた感じがする。年を重ねると経験でいろいろなことができるようになる。

視野も広がる。ただ、その中で妥協や挫折も経験していくと自分の「好き」をストレートに表現することは難しくなっているではないか。それはもちろん、仕事や生活を破綻なくおこなうえで必要ことだろう。「好き」だけでは生きられない。

でも、今回のワークショップなように何の利害なく、自分の好きをA3サイズの紙に切りはりしてみる。何のリスクもない行為。思いっきり自分の「好き」好きに向かい合える貴重な機会になるのではないか。

これは日々、自分ひとりでもできること生活の中で「自分はなにが好きなんだろう?」と自問自答することはとてもエキサイティングで意味のあることだと思う。あなたも自宅でやってみませんか?

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