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アーティストは迷わない。

2020.12.12

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迷いは

SIAFラウンジは、大通公園の一番西にある歴史的建造物、札幌市資料館にある札幌国際芸術祭に関する資料を中心に、建築・デザイン・現代アート・エッセイなど、400冊以上の本を集めたスペース。カフェも併設されているので、お茶を飲みながらアートに浸れる素敵な空間だ。

SIAFラウンジオンラインは、このスペースから生まれたオンライン企画。SIAF(札幌国際芸術祭)やアートについて、気軽の話し合う場で、SIAFのスタッフやアーティストが登場する。参加は登録制で無料。

今回は3回目。SIAFに参加予定だったアーティストをゲストに迎えて、それぞれの自己紹介からスタートした。紹介は形式ばったものではなかったので、フリートークにちかいお話で進んでいって、SIAFでやる予定だった企画の話や、近況、海外在住作家のロックダウンの話、自分とアートの関係性など、自己紹介とつながって、エピソードになっていくのを興味深く楽しく聞くことができた。

後半では、アーティストに対する質疑応答の時間があり、僕はアーティストについてアート活動を「続ける」ということについて聞いてみた。予想とおり、答えはそれぞれだったけど、共通するのは自分が表現し続けることに「迷い」がないのが僕には感じられた。うん、それが一番大事だよね何事も。

第3回 SIAFラウンジオンライン
2020年12月10日(木)18:30時~20時00分
https://siaf.jp/news/information/p13157/

 ishikawa Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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ホテルのロビーで観たい「美術」とは?

2020.12.06

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アート・フォーホテル
アンビエントなビジュアル

見知らぬ土地でのホテル。キャスターつきのバッグをひいてチェックイン。ロビーで先客の手続が終わるまで待つ。眺めるまわり。ホテルは多くはトラベラーが訪れる場所であり、旅の印象にも残る場所。

ロビーの一人がけソファに座って考える。ここにふさわしいアート作品はどういったものだろう?こういったことを考えるは僕は好きである。

つまり、ギャラリーや美術館ではない場所で、どういった作品を置くかということである。僕はこれは結構重要なことではないかなと思っている。

僕が勝手に考えるなら、ホテルに展示する作品には2つの方向性があると思う。ひとつは、そのホテルの「所在地」に着目した作品を飾るということである。

わかりやすくいえばホテルのある地域にある「名所」(または地方特有の気候の風景など)をテーマした作品。

このパターンは僕も実際に見ることも多いし、みなさんも見た経験はあると思う。ベタといえば、そうなんだけど意味性あるし、効果的でもある。トラベラーに「この地」に来た、という実感を思い起こすに違いない。

では、もうひとつの方向はどうだろうか? それは、ロビーという空間に合う作品をつくるということだ。作家がその時自分の中で好きなテーマで作品を作る、というのは違う。これは結構難しいテーマとなる。

そして、その課題に挑戦したのが、今回の展示の高橋弘子の作品だと思う。作品に近づいてみると「島」の絵である。とても不思議な。おそらく作家か考えた架空の島ではないだろうか。

架空の世界の中で、ひとの手を作られたのか、自然にできたものなのか。そのつくりは盆栽のような雰囲気も感じられる。

観る側にアヴァンギャルドな見どころはあるものの、テーマは自然物なので受け入れやすい作風だ。どこか清涼感するあるし、ロマッチックでもあるし、ミステリーでもある…これらの要素って、トラベルにあると楽しいことでは?そんなことを考えてしまった。旅のような作品ではないか。

ぜひ、作品を展示場所に観にいって欲しい。アート作品の鑑賞は現物を直接観る、のが基本だと思うし、作品のある場所に「観に行く」というフィジカルな行動が大事だと思うのだ。

 

高橋弘子作品展「テリトリー」
2020年12月2日(水)~2021年2月28日(日)
クロスホテル札幌(北2西2)2Fロビー
観覧自由/観覧料無料

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
Facebook / Twitter

 

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おうちの中のミュージアム、おうちミュージアム

2020.11.20

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美術館とリアルとネットの三角関係。

僕は今までミュージアム(美術館)のサイトといえば展示情報の確認をする、という使い方になる。そういえば、最近、美術館のサイトのアクセスしてない。それはそうだ、なぜならコロナの状況があるため美術館に足が遠のく、すると展示スケジュールを観る必要がないのだ。
でも、ミュージアムのサイトは、それでいいのだろうか?

おうちミュージアムは、北海道博物館の学芸員渋谷美月が、今年3月コロナのために休校となり、家で過ごすことになった子どもたちにむけた企画。その内容は本館のウェブサイトに、今まで本美術館がおこなった企画やワークショップから、子どもたちがおうちで体験できるものアップロードする内容。例えば、松浦武四郎か描いた絵の塗り絵や、アイヌ語が作れるアイヌ語ブロックなどが、アップされている。
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/ouchi-museum/

この企画のユニークなところは、本企画について、道内からさらに全国によびかけ現時点で217のミュージアムがおうちミュージアムに参加しているということ。専用の可愛らしいロゴもキャッチーでわかりやすい。

今回、室蘭市の生涯学習センター「きらん」開催された 「アーバンデータチャレンジ2020」。地域課題の解決を目的に、主に地方自治体を中心とする公共データを活用したデータ活用型コミュニティづくり等をおこなうイベントだ。

この中でおうちミュージアムの企画をおこなった北海道博物館の学芸員渋谷美月の講演「おうちミュージアムとしてネット上に現れた全国のミュージアムの学びのコンテンツ」がおこなわれた。
https://youtu.be/8hgqV4Hkn_o?t=5729

講演では先に書いた 成り立ちから、本プロジェクトが持っている今後の可能性、それはおうちミュージアム で展開されるオンライン上のアーカイブ(おうちミュージアムラボ)を「ユニバーサルな学び」「学校や病院との連携」「地域の新しい資源のつながり方」等を作っていくという将来的なプランの言及もあった。これがとても素晴らしいもので、単に「おうちで楽しめるコンテンツ」から、社会とつながる有機的なアート・コンテンツといえる展開はぜひ応援したい。

最後に持論として、ひとつ言いたいのはミュージアム(美術館)に実際に訪れる大切さである。オンラインの重要性と可能性はこの記事で書いたとおりだが、それは美術館に現実に足を運び作品の現物を観る、という体験に完全に代われるものではないということだ。鑑賞環境が整った場所で、アートの現物を観る、という体験も今後に大事にして欲しい。


アーバンデータチャレンジ2020全体イベント

「オープン・デジタルなまちづくりに向けたUDCの活動展開in北海道&Virtually 」
2020年11月14日(土)/  室蘭市生涯学習センター・きら
https://www.youtube.com/OfficeUDC

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
Facebook / Twitter

 

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