NUMERO DEUX SPECIAL 012 MARCH.2000


Kenji NISHIDUKA 西塚 顕治

今回の写真は、自分の中で「All is Love」という写真はこれだなというものを30枚選ばせてもらったんですが、海の写真は「そこにあるもの、立ち止まり見つめること」という自分の言葉にも由来しています。海とか雲とか、ずっとそこにあるもので、かつ変化し続けるもの。それらを、立ち止まって見続ける。そうして生まれた写真たちです。それと、友人の女性を撮ったものもありますね。すごく目の強い人です。ところで、実は僕、料理人なんです。「きんにくや」というエスニックレストランで鍋を振っています。山形生まれなんですけど、大学から北海道に来て。酪農学園大学でチーズとかハムとかを作ってました。その頃に中島公園のフリーマーケットで、3000円で売ってた一眼レフを偶然買って(笑)。それ以来、趣味で写真を撮るという感じだったんですけど、今では生きるということの手段というか、それくらいの存在になってきました。「All is Love」ですか? うーん、自分の中で好きな風景だったり、好きなものや好きな人だったり……。とにかく、カメラはそこにあるものを切り取る作業かもしれないけど、その作業で、好きなもの、愛するものを切り取り、こういう形で展示できたことを嬉しく思っています。もしかしたら、写真が言葉をはねつけるかもしれないし、言葉に写真が負けているかもしれないけど。その点に関しては、酒井さんのお話も聞いてみたいなぁ(笑)。


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