NUMERO DEUX REVIEW

お正月ヒマヴィデオレビュー×4

お正月はヒマだったので、ヴィデオを借りに行った。近所のヴィデオ屋の店内は僕と同様の「正月サエない組」のメンバーがそろっていて、気分が良かった。さて、4本借りた。「ファイトクラブ」(2回目)、「第3帝国の遺産」「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(今さら)「コンタクトキラー」(アキ・カウリスマキ)。4本借りたらビニールの袋がデカかった。そして、セイコーマートにいって。なんか買ったが忘れた。

「ファイトクラブ(監督ディビッド・フィンチャー・1999・アメリカ)

2回目のネタバレなので、最初ほどの感動はなかったが、それでも十分おもしろい。見落として部分もチエックできたし、フィッチャーのビジュアル・センスの良さも再確認できる。逆に、脚本がビジュアルに絶妙にサポートされているのが、今ふうの作品だなぁ、と感心した。でも、同監督「エイリアン3」を再評価したくなるが、それはやはり駄作でしょう。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(監督ガイ・リッチー・1998・イギリス) 

ミニシアター系の大ヒット作品だが、結論からいうと、つまらなかった。犯罪のスリル、適度なダサさ、スピード感のある演出、いいところそろっているが、本当にそれだけの映画。それだけじゃ、だめなんだって。映画で一番必要な「感情移入の対象」がない。「ファイトクラブ」の一番のおもしろさは、ただひとつ。オチよりもビジュアルよりも、「重病患者の会に参加する健康なエドワードノートン」にずっぽりハマれるかどうかでしょう。イギリス映画なら、ケン・ローチや、マイク・リーというずっぽり感情移入させる「ダメな人間のイイ映画」があるので見習って欲しかった。

「コントラクトキラー」(監督アキ・カウリスマキ・1990・フィンランド=スウェーデン)

アキ・カウリスマキは、やはり天才だと思う。とにかく、文句 のつけどころがなく、おもしろい作品をつくる。作風は、幅広い 人に受け入れられる普遍性を持っていて、観客を選ぶものではない。セリフが極力少ないスタイルは、本作の主人公ジャン・ピエール・レオーとの相性は抜群にいい。無理矢理ケチをつけるなら、時代性を感じさせるオシャレな感覚は欠如しているが、変に 時流に持ち上げられないためには、今のスタンスがいいのだろう。

「第3帝国の遺産」(監督ジョン・フランケンハイマー・1985年・アメリカ)

なんとなく借りたサスペンスもの。ナチスの謎の遺産をめぐって主人公が、巨大な陰謀に巻き込まれる…というよくある話しでした。2時間以上あるが、それでも足りなかったのが、ちよっと乱暴なシーン省略演出が気になった。でも、予算はあったのか、ロケが多いので観ていてそんなに飽きない。ただ、巨大の陰謀というのが、「遺産を世界中のテロリストにバラまいて世界中を混乱させる」という、劇中で「経済の天才」とよばれるナチ将校の立案は、あまり経済は関係ないと思ったし、すこし計画シンプルすぎない?




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