NUMERO DEUX SPECIAL 026
先日4/19 (木)16時よりアーバンホール(元札幌ピカデリーホール)にて記者会見。札幌の実行委員久保俊哉氏(左)/実行委員長 別所哲也(右)らの挨拶と、ダイジェストの試写がおこなわれた。
「アメリカンショートショートフィルムフェステイヴァル」札幌では6月 開催予定6月にある札幌のお祭りは?「よさこい」。 それは正解ですが、昨年よりもうひとつのお祭りがスタートした。 長くても30分、短いものでは1、2分の上映時間の映画作品、「ショートフィルム」。国内外のそれら集めて、上映する「アメリカンショート ショート フィルム フェステイヴァル」。1999年より、東京を中心に各都市で始まり、去年より札幌では東急ハンズの裏にあるマルチスペース"EDIT"でおこなわれ、予想以上の動員をはたした。そして、今年は6月8日(金)から6月12日(火)までの5日間、上映本数も増えて50本あまりの作品が上映が予定されている。今回のトピックとしてはティム・バートンの初期作品などが観ることができる。メイン会場は、映画館札幌ピカデリーから多目的スペースとなった札幌アーバンホール(S3W4)。サブ会場の"EDIT"では、期間中オープニング・レセプションやトークイベントを予定。さまざなゲストが予定されている。前売券(3枚綴り券)¥2400/ 当日券:¥1000。ローソンチケット/ピヴォ(1Fインフォメーションカウンター)にて発売中。
アメリカン・ショート・ショートの情報サイト http://www.iacnet.ne.jp/~sair/pub/shortfilms/index2.html
●「アメリカン・ショート・ショート」に上映される札幌在住の新鋭監督にインタビュー
今回、本イベントでは、「ジャパンショート」として選ばれた8作品の国内インディペンデント系作家の上映が予定されている。そのうち3作品「並木道」「Hands」「サイの芽」の札幌在住である監督3人にFAB cafeにてインタビューしてみた。当日は、同じく札幌在住の作家で昨年の本イベントで作品が上映された 関原裕司、「サイの芽」で主演した丸山未央にもコメントをいただいた。興味があれば、ぜひプログラムをチエックのうえ観に行って欲しい。 text by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)
Interview
●小野寺圭介(birth1977)
上映作品「並木道」(2000/DV/11:00)
story:女の子は和解できず死に別れた父を想う時、並木道に訪れる。ある日、青年と出会った…
大学を2年くらい浪人していた時に、じゃあ大学に行って何をすればいいんだろうと考えたのです。とりあえず昔からストーリーを創るのが好きだったので、それをどう表現しようか考えて、映画を作りたいなぁと思いました。なぜ映画かというと、目で観て、そして音で聞いてインパクトを体感できるからです。そこで映画学科のある大学を希望したのですが親に反対されて。それで北海学園にしました。2部に行ったのは、昼間に映画を作る時間があるかなと思ったからです。観た映画の中で影響受けたのが「大逆転」という作品。それまで観た「スターウォーズ」とか「遊星からの物体X」といったスケールの大きい作品と違って、観終わった後に日常生活と繋がりのあるような感じがとても好きになりました。ちょっとした日常のお話で共感できる作品を作りたいのです。「並木道」では技術的な部分で、登場人物のやりとりをカメラがきちっとフォローしていることと、セリフがはっきり聞こえるという2点がやっとそろって成功して満足した作品になっています。この点は意外とインディペンデント映画はもとより日本映画全体でもおこなわれていないなと感じています。
●島田英ニ(birth1976)
上映作品「hands」(2000/DV/06:30)
story:「手」による銃撃戦が突然始まった!
「ハンズ」は、ある日雪道を歩いていていると子供が道の横にある雪山の上を歩いて母親に怒られるのを見た時に、ふと自分はいつから雪山の上を歩かなくなったんだろうと思ったのです。大人に なるうちに忘れてしまった子供が遊ぶようなユニークな発想ができないかというのが、本作のアイディアですね。スタッフは役者もいれて全部で4人。頭の中で描いたビジョンを映像化した時に何かが違っていたり、絵コンテで全体の流れを用意しても撮影当日になると変更しなくてはいけなかったりと、製作中の苦労はありました。 これからはやはり観てくれた人が感動する映画を撮っていきたい。これからはやはり観てくれた人が感動する映画を撮っていきたい。楽しめる作品で、欲をいえば観た人が何回も観たくなる映画を撮りたいですね。
●アラキマサヒト(birth1976)
上映作品「サイの芽」(2000/DV/02:30)
story:鉢植えを育てる一人暮らしの女の子。芽は出るのか?
交通事故を目撃したのが映画を作るきっかけです。雪道を車で走っていたら軽自動車がスリップしてダンプと衝突してグチャグチャになるのを見て「あ、映画撮りたい」と本能的に思いました。もともと映画は親が好きでよく観に連れていってもらってました。映画を最初に撮ったのは8ミリです。遊びながら映像を曲に合わせて、速いカットでバンバン切って作っていました。そのうちに会社の友達がテクノでライブをやっていて、そこでDVの映像を観て、8ミリにこだわらなくてもいいなぁと感じてDVを使うようになりました。現在はドロップキッカーズを結成して音楽や映像を作っています。「サイの芽」は自分のアイディアでDV撮影した最初の作品です。その前に「空想バザール」という作品もあるのですが、自分の脚本ではないことにもどかしを感じて、「サイの芽」を作りました。僕は基本的に脚本も撮影も自分で全部やりたいタイプです。人まかせにできなくて。口でいうより自分でやったほうが早いから(笑)。本作は女の子が芽の出ない鉢植えをずっと育てるという静かな脚本だったのですが、煮詰まって壊したくなってああいうラストになりました。でも、その結果自分らしさが出せたかな、と思っています。
関原 裕司もともと映画が好きで、いろいろ観ていました。そのうち頭のなかで映画のストーリーを考えるようになって。そうなると自分で作りたい、と思ったのが映画作りのキッカケです。僕が凄い影響をうけたのは「シャイニング」という作品です。それはテレビで観たのですけど、その中でヘリの空撮のシーンを観たとき、強いショックを受けました。それから、映画自体を考えながら観るようになりました。今でもキューブリックでは「シャイニング」がベストです。何度観ても発見がありますね。そして、大学に入学して映画を作っているサークルにはいって、そこで小野寺さんの映画作りに対して「本気でやっている」姿勢に凄く影響をうけました。それまで僕の人生のなかでそんな人はいなかったのです。映画というのは完璧な絵をならべても、そこに編集という作業をいれていかなければ芸術にはならないといわれています。だけど、完璧な絵が並んでれば、それは良い映画になりうるのではないか、と思うこともあります。わかりやすくて、ハッとさせる映像をを作りたいですね。
丸山未央ドロップキッカーズとアラキ作品にはすべて出演しています。 今回の「サイの芽」は 短い作品ということもあって、 監督からは、ほとんど指示はありませんでした。 私は映画好きという訳ではないですが映画に出るのは楽しいです。
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after hours
取材を終えて「アメリカン・ショート・ショート」は、おすすめできる映画祭だと思う。値段設定もリーズナブルだし、ざまざな作品を楽しむことができるからである。今回インタビューした、3人の監督の作品もぜひ観て欲しい。それぞれまったく作風が異なるのも興味深い。本映画祭は、観客の視点や、作り手の視点からも楽しめるものになっている。
inteviewer SHINICHI ISHIKAWA(NUMERO DEUX) >
NUMERO DEUX SPRCIAL 026
American Shorts film festival 2001
取材日時:2001.05.01(tue) 20:00-21:00@FAB CAFE
取材協力 FAB Cafe Photograph by Asami Hosino
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