NUMERO DEUX SPECIAL 033
スキのあるイメージ「隙」のある表現はいつも美しい。映画でも音楽でもグラフィックでも…。なぜなら、そのなかに自分の気持ちを差し入れて、その表現をより自分のほうにひきよせて楽しむことができるかもしれない。今回インタビューをおこなったmikiは、今年FABcafeでエキシビションをおこない、活動の幅をひろげている新鋭アーティスト。エキシビションでは素朴な手書きのティストを生かしたイラストであったが、彼女は「表現」方法に対するこだわりよりも、自分の感性が表現できるなら、方法に対するこだわりのないのが、今どきのクリエイターらしい。これからの活動に期待していきたい。
text by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)
NUMERO DEUX SPRCIAL 033
"ATOMOSPHERE" Interview With miki
取材日時:2001.11.25(日) 18:00-19:00
取材協力 :FAB CAFE
Interview by SHINICHI ISHIKAWA(NUMERO DEUX)
Photograph by NUMERO DEUX
Art Direction & Design:NUMERO DEUX
NUMERO DEUX Copyright.
-----現在までのプロフィールを簡単に教えてください?
出身は東京です。北海道は学生時代を過ごしました。高校を卒業して1・2年は室蘭文化女子大学で学びました。その時に室蘭工業大学にいた現在のPROJECT CADのメンバーと知り合いました。その後、私は東京の学校に編入して、都内で就職しました。就職先は事務系の仕事でした。学校ではデザインの勉強をしていたので、その方面の仕事をしたかったのですが、学校では実務に即した勉強はしていなかったので、就職は難しかったのです。でも、その職場はDTPもやっている会社だったのでそこでMacをさわったりはしていました。それから、2年位経って、(夫の)石田さんが会社をやめて室蘭工大の仲間とPROJECT CADを立ち上げることになったので去年の6月に一緒に札幌に来ました。ですので、まだ札幌に引っ越してきて1年半位です。
-----イラストを描き始めたいきさつを教えてください?
イラストは描き始めてまだ1年と少しなので、肩書きとしてイラストレーターということに抵抗はあります。自分の持ってるイメージを形にできるなら手段は必ずしもイラストでなくても構わないと思っています。デザイン出身なのではじめは絵を描くことがあまり得意ではなくて最初はクリーティングカードをつくる時にイラストをちょこちょこっと描いた程度でした。たまたまPROJECT CADのウェブサイトのトップページを私のイラストで毎月更新で担当を頼まれて、最初は毎月は無理だと断わろうと思いましたが「続ければできるから!」という言葉にのせられて、今も続けています(笑)。
-----イラストを描くイメージをどのように考えますか。自分は「雰囲気」が描きたいというのはあります。例えばこのマンガの冬の感じが素敵だったからそういう雰囲気のイラストを描いてみようとか、テレビから耳にした音楽の歌詞の一箇所いい言葉だったりするとそれから想像をひろげて描きたくなります。このあいだ、洋梨の絵を描いたのですけど、そこで伝えたいのはちょっと寒くなってきた天気のいい日に窓から陽が差したところに洋梨があったら、かわいいな、という「雰囲気」なのです。中心に描いているのは洋梨だけなんだけど、雰囲気も含めてキレイに陽が差してるキッチンの気持ちいい「雰囲気」を表現したかったのです。
-----具体的にはどのように描いているんですか?
スケッチブックはいつも持ち歩いています。思いついた時に鉛筆で描いて、それをもとにペンで清書してスキャナで読み込み、フォトショップで着色しています。アートっぽいものより 、わりと線の細いきゃしゃな感じ素朴なティストが好きです。
-----好きなミュージックや、フィルムを教えてください。好きな映画第1位は大学時代に観た「オネアミスの翼」です。第2位は「青いパパイアの香り」ですね。音楽は、あるものはなんでも聴くという感じで中学生の頃はエブリシング・バット・ザ・ガールやスウイング・アウト・シスターが好きでした、中学生の頃から聴いていて今でも好きなのはフリッパーズ・ギターです。大学に入ってからPROJECT CADのメンバーの影響でジャズや、ボサノヴァも聴くようになりました。
----- 現在、進行中のワークを教えてください。
札幌のベトナム雑貨&カフェのお店「チョロン」のウェブサイトのデザインをおこなっています。イラストはチョロンの店長の菊池さんのイラストを使用させていただくと思いますので、私はサイトの構成を考えてレイアウトのディレクションをしてお店の方から素材をいただいて、それをサイトで組み立てていく作業をしています。 来年1月上旬アップを目指しています。
-----最後に、これからの目標など。グラフィックデザインとかCDジャケットもやってみたいです。自分の個性や世界観を磨いていって、“あの人の作品いいね”といわれるような作品を作っていきたいです。
-----ありがとうございました。
● More Information
VJや空間演出をおこなっているPROJECT CADのウェブサイトのコンテンツ"WORKS"では、mikiのFABcafeでのエキビションの作品紹介などをみることができる。
PROJECT CAD
http://pcad.org/
● After Hours
取材を終えて僕の好きな表現はシンプルで趣味の良いもの。そしてmikiの表現は僕の好きな表現です。
Shinichi Ishikawa(NUEMRO DEUX)
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