NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC MAR.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。






OASIS
"STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS"(2000) ESCA-8118

メンバーが替わった。ロゴが変わった。オアシスが変わった。以前から、「ビートルズ」と比較されることが多かった彼らの最新作は、作為的であるのか、今まで以上に見事に似ている。それも後期の頃に。歌い方こそ変わっていないものの、新たな挑戦である多彩な音色が、両者のイメージをますますダブらせている。タイトルの「ジャイアンツ」という言葉が「ビートルズ」のことならば、その狙いは十分に果たせている。ただ、オアシスとは何なんだろうという気がする。ビートルズっぽいバンドという枠から脱するのではなく、そのままのことをするのでは、正直芸がない。「オアシス」が「オアシス」である何かが今まではあったはずである。マネごとをするのであれば、本家を聴いた方がまだいい。決して悪いアルバムではなく、相変わらず聴きやすいのではあるが、90年代最高の世界的英国バンドがいかに凄いのかを「人の肩」を借りないで実証して欲しかった。(児玉)


PAUL WELLER
"STANLY ROAD"(1995)PCCY-00747

ソロ以前よりもソロ活動を始めてからの方が評価の高いアーティストは意外と少ないのではないかと思う。「元○○」という十字架から解法されるには何年かかるかわからないだろう。ポール・ウェラーは二つのバンドの十字架を背負 うことになったものの、ソロで復活できたまれな人である。本作は彼のソロ3作目となる作品であり、他のアルバムについている「ソウル」という言葉こそタイトルにはないが、彼のそれこそ「魂」としか呼びようのないような気持ち を聴いている人間に感じさせるような作品である。全英1位獲得も、スティーブ・ウィンウッドや、ノエル・ギャラガーなどのゲスト陣によるものではないことは明らかであろう。ずっしり響く重厚なリズムの上にのった軽くディストーションがかかったギターだけでなく、12.で見せるシンガーとしてのポール・ウェラーの歌声も聴き逃せない。UKで兄貴的存在として慕われるのもうなずけるだろう。(小西)


SPEED KING
"SPEED KING" (2000)AVCD-11773)

男気って何だろう。辞書を開けば【自分を捨てて人のために尽くす気性。正義を守り、弱いものを助けようとする気持ち】ちょっと前にはヤマト建設と「恋愛したい」といったガチンコ・サラリーマン矢島金太郎がブームになった。 色んな個性が増えても、男伊達は少ない昨今。ご紹介するSPEED KINGは気合十分。メンバー14人全員がカラー・メタリックのヘルメットにサングラス(勿論ティアドロップ型)黒いツナギの背中には鋲打ちの星がギラギラ。ディープ・パープル“Smoke On The Water”やマッドネス“One Step Beyond”のリメイクを披露、ロック+スカ+テクノ+ビッグ・ビートで見事な臨戦体制をキメているのだ。 というのも、お馴染み東京スカ・パラダイス・オーケストラと、欧米で活躍するファンタスティック・プラスチック・マシーンの田中知之を中心に結成された新ユニット。昨年末のツアでは各地で熱狂を生んだとか…来札を望む。(玉手)

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