NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC Jan.2001


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









OASIS / FAMILIAR TO MILIONS

オアシス初のライブアルバム。場所はイングランドの聖地といわれるウェンブリー・スタジアム。最新アルバム "Standing..." からの曲だけでなWONDERWALL や DON'T LOOK BACK IN ANGER なども聴けるので、オアシスのベストアルバムとして捉えることができるだろう。メンバーの入れ替わりや兄弟そろっての離婚など、あい変わらず楽曲以外での話題の絶えない連中だが、このアルバムを聴いていると、彼らの音楽に対する一途な気持ちがひしひしを伝わってくる。特別ルックスが良いわけでもなく、ライブパフォーマンスもうまいわけではなく、ハイテクバンドでもない、無愛想で不器用なそんな彼らを見るために、7万人のオーディエンスが集まった。他でもないオアシスの曲が 聴きたいがために集まった。ノエルの書いた曲をリアムが歌うのを聴きたいがために。ノエルが曲を書き続ける限り、リアムが歌を歌い続ける限り、オアシスは解散しない。オーディエンスはそう感じたに違いない(小西)。




THE BEAUTIFUL SOUTH / PAINTING RED

普通イギリスで人気のアーティストは日本でもそれなりに人気が出るものだが、ビューティフルサウスはどうもパッとしない。音楽雑誌で大々的に取り上げられ ていた記憶もない。これまで通算800万枚以上のアルバムを売り、以前発売されたベスト盤は300万枚のセールスを記録したというのに。なぜだ!僕のビューティフルサウスのイメージというと、それなりに聴き込んでる洋楽ファンにしか受け入れられていない、玄人好みのブリットポップといった感じだ。オアシスやレディオヘッドを聴いている今の世代の人たちにはビューティフルサウスのようなスッキリしたポップでクリアなサウンドはピンとこないのだろう。別に日本で爆発的に売れなくても根強いファンがいるから日本盤もリリースされ続けてるし、自分が聴く分には何ら問題は無いんですけど、ビューティフルサウスの偉大さが理解されないのが悔しくてね。ちなみに前身であるTHE HOUSEMARTINSにはノーマンクックが在籍してました。(dan)




J MASCIS + THE FOG / MORE LIGHT

僕は彼のインタビュー記事が好きだ。「ふ〜ん」、「はぁ〜」、「まぁ〜」といったなんとも気の抜けた返答がそのまま文章で載っているのがなんとも面白い。 かつて例を見ない程のやる気の無さを持ったアーティスト、それがJ・マスキス。それは音にも実直に現れている。ダイナソー時代でみせた疾走感の中に垣間見える気怠さは彼のそういった性格ならではだった。解散して3年経った今、Jは”FOG”というバックを従えて、再びシーンへ戻ってきた。ところが、今作でのJはちょっと違っている。なんだか、やる気に満ちている。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズの参加がそうさせたのか、ギターサウンドに今まで以上の気迫が籠もっているの。ダイナソー後期に失いかけていたパワーがソロとなって復活しているのだ。だが、最も驚くのは今回のインタビュー記事。なんと!普通に喋っているではないか!しかも、プロモーションにちょっと気を使っているとか。人は変わるものである。いや、むしろそれが本来の彼の姿なのかもしれない。今作でダイナソー時代よりもJがより人間臭く、リアルな存在として映しだされているのにはそういう姿があるからこそなのかもしれないのだから。(児玉)


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