NUMERO DEUX UROTANGEUROTANGE DISC FEB.2001
「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。
IVY/LONG DISTANCE 僕は綺麗な女性がジャケを飾ってると全く知らないアーティストでもそのCDを買いたくなるんです。しかも歌ってる人がフランス人女性だとしたら放っておけない。このIVYはフランス人女性1人とアメリカ人男性2人による3人組。昨年頃からTAHITI80のヒットや(ギターのアンディーはTAHITI80のプロデューサー)PHENIXの来札などフランス人アーティストの活躍により、ちょっとしたフレンチブームと騒がれIVYにとっても都合の良い状況になっているようだ。実際バンドが結成されたのはニューヨークだし歌は英語によるものだがボーカルのドミニクの歌声はフレンチポップと扱われても何の違和感も感じないし、彼女が歌うのならば何語だろうが僕は許せます。柔らかく僕を包み込む透き通った歌声は心地よい眠気を誘い毎晩おやすみBGMに使わせてもらってる。 今思ったことだが何となく雰囲気が日本のブリリアントグリーンに似てなくもない。(dan)
BJORK/SELMASONGS 言わずもがなの、映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のサウンドトラックである。地味な作品であるにもかかわらず大ヒットしているのは、世相を反映しているのではなどとつい言いたくなる。それはともかく、口が裂けても「キャッチーでポップ」な音とは言えないのに、ここまで脳を浸蝕してくるビョークの神がかり的魅力が、視覚的にも聴覚的にも引きずり込み効果をあげていることには、ただただ嘆息するしかない。CMでもすさまじいインパクトを与えている「I'VE SEEN IT ALL」では、我らがトム・ヨークがヴォーカル参加。映画しかご覧になっていない方は、えっ、あの曲はペーター・ストーメアが相方をつとめていたはず、とか思うだろうけどところがどっこい、サントラヴァージョンはひと味違います。しかし、ちっこくても目立つトムがなんと今回は完全にわき役に徹し、抑えに抑えた静かすぎる声を提供。暴れ出しそうなほどの力強いビョークの歌声とは鮮やかなコントラストを生みだし、これがまたいいんですな。(泉田)
PLACEBO / PLACEBO北海道の中古CD事情が狂ってきている。いや、洋楽に対する価値観が変わってきているのかもしれない。なにがどうなっているかを簡単に言えば価格が異常なまでに安くなっているのである。300円台でCDが買えてしまう時代なのだ。洋楽ファンにとってはこれほど嬉しいことはないのだが、その裏には非常に悲しい現実がある。ようは海外の音楽が日本で売れてないのだから。浜崎あゆみやモーニング娘。がビッグセールスを誇る日本の音楽市場でここ最近日本で同等のビッグセールスを果たした海外アーティストは残念ながらいない。あのニルヴァーナの「ネヴァーマインド」でさえも日本では100万枚を数える程でB'zにも及ばない。売れれば良いことでは決してない。しかし、もっと聞く人がいても良いのではないか?ということなのである。今回挙げるプラシーボはかっこいい。パンク、グラム、オルタナティヴ。そういう方面の人達はまず及第点をあげるバンドだろう。本国イギリスやアメリカでも確かに正統な評価を受けている。ただ、この日本では数ある海外バンドのひとつくらいにしか受け入れられていない。こういうバンドが日本の多くの人々に認知されてくるともっと面白くなるのであろうに。RIZEあたりを熱く感じるならば、彼らの音楽にも共感が持てるハズ。(児玉)
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