NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC REVIEW 14 May.2001


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









AMERICAN HI-FI / AMERICAN HI-FI
http://www.americanhi-fi.com

「暑い日に聴くのは"レゲエ"や"スカ"でしょ」と南の国の音楽を雰囲気だけでプッシュされることが多いのだが、僕の場合、ますます暑くなって気持ちよくなかったりする。では、何を聴くのか? であるが、夏が近づくと軽快で爽快なロックが聴きたくなる。冷たいビールと爽快なロックがあれば蒸し暑さも心地よい感覚になるからだ。今年はアメリカン・ハイ・ファイがオススメ。サード・アイ・ブラインド、グー・グー・ドールズ、コレクティブ・ソウルなどに代表されるアメリカン・ロック・バンドのニューフェイスの彼らは、日本ではまだCDデビューしていないが、全米ではビルボード・トップ100に入ってくるほどの注目株。プロデューサーにボブ・ロック(モトリー・クルーやメタリカなどのプロデュースで有名)を起用し、アメリカらしいキレのあるロックを展開している。なんか夏に合うなぁ、なんて思っていたらレコーディングはマウイ島とのこと。そりゃぁ夏っぽいわけだわ。毎年夏といえばチューブだ! と言っている人達、ことしは彼らを聴くのだ!(児玉)


COSMIC ROUGH RIDERS / ENJOY THE MELODIC SUNSHINE
http://www.cosmicroughriders.com/

相変わらずグラスゴーと聞くと反応してしまう俺。成長しない俺。そんな自分が好きだったりする俺。元クリエイション社長だったアラン・マッギーの新レーベル、ポップトーンズから登場したグラスゴー出身の5人組。デビューから2年程にもかかわらずティーンエイジ・ファンクラブ並みのメロディーを持ち、今年のサマーソニックにも名前が挙がっている大物新人だ。前半エキゾチックでサイケな曲が並び、後半へ進むにつれティーンエイジの新譜かと思うくらいおおらかギターポップが展開される。というか、まんまティーンエイジだ。全体的に駄作が見当たらないし、まとまっているんだけど、強力な必殺一撃(一曲)のような曲も見当たらないようにも感じた。今後も大きく変化するようなタイプではなさそうだし、熱狂的な信者にはならないだろうけど、毎回確実に(無難に?)良質な音楽を聴かせてくれそうだ。サマーソニックの予行練習に聴いてみよう。ドタキャンだったらごめんね。(dan)


STEREOPHONICS / JUST ENOUGH EDUCATION TO PERFORM
http://www.stereophonics.com/

ザ・ビートルズがリバプールから世界に飛び出したことに端を発し、リバプールサウンドと呼ばれるバンドが世界の音楽界を席巻したロック界の大事件。それが第一次ブリティッシュインヴェイジョンである。時代が流れて、ロンドンのナイトクラブからひょっこりと出てきたデュラン・デュランをはじめとするニューロマンティックと称される、MTV創生世代のヴィジュアルとサウンドを結びつけたムーヴメントがアメリカのチャート上位を埋め尽くした時期を第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼んでいる。90年代のブラー、オアシスなどUKギターポップと称されるバンドのいくつかがアメリカに進出したのもこの流れの新たな潮流といえる。これらのアーティストには好くも悪しくもイギリスらしい音を感じ取ることが出来るという共通項がある。対してステレオフォニックスの音楽にはイギリス色がない。かつ(これが三作目だが)アルバムごとに音に拡がりが出ている。イギリスらしさで世界を制した過去の天才達や、やはりアイルランドらしさを持ったままアメリカに認められたU2やクランベリーズのようなアーティストさえも超えていない壁を超えかつて渡英しイギリスでデビューし天衣無縫の音楽性で瞬く間にロック史の重要人物となり早逝したジミ・ヘンドリックスに比肩する存在になると感じる、といえば言い過ぎかも知れないが、イギリスロック界の復興の指針となる作品であろう。(城山)






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