NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC REVIEW 16 July.2001


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









MUSE / ORIGIN OF SYMMETRY

http://www.fallingdown.co.uk/

みなさんは音楽にどう触れているだろうか。仕事中のBGM、カラオケで歌いたくて覚える、馴染みのクラブで知り合いのDJがまわす素材、などということも多いだろう。しかしこれは少数意見や部分的意見で、多くの人はこう感じているのではないか。「音楽(特定のミュージシャン)は自分の支えになるものの一つである」と。音楽家はアーティストと呼ばれる。しかし、同じアーティストでも画家や彫刻家の作品よりも決定的に他人の記憶に残り、その人生の指針となる場合が多い。この違いどこにあるか?それは音という芸術に歌詞という具体的な表現が載ることで他人のこころのより深くまで届くということが大きな要素となっている。どちらが欠けてもいけない。そして、どちらも欠けずに日本人の心に届く洋楽のなんと少ないことか。言語の壁の厚いことか。そんな中でこのMUSEは非常に活力を与えてくれる音を出す。そして英語の分からないボクにもなんだかなにかが分かるような気がする歌い方をする。日本語版歌詞を見てみると、「あ、なかなかいいこと書いてあるな」と感じる。日本版アルバムでライナーノーツ(封入の日本語解説)を見て、生きる糧の一つにして欲しい。(城山)


SUGAR RAY / SUGAR RAY

http://sugarray.com/

2001年の夏が到来! 小樽や石狩では海開きが始まり、休みの日には車にテントや七輪を積んで友達を集めてしゅっぱーつ! そんな時、一番最初にかけたい1枚が”南カリフォルニアからやってきた、陽気なロック兄ちゃん”シュガー・レイ待望の4作目。前作『14分59秒』より「エブリ・モーニング」の大ヒットが記憶に残る彼らの、約2年ぶりの新作はなんとも耳馴染みのよいゆる〜い雰囲気。先行シングル「ホェン・イッツ・オーバー」は、アコースティック・ギターやDJのスクラッチが気持ちよ〜く絡んで、とってもポップ。そのいっぽうで、ストレートなロック・サウンドを打ち出した楽曲「アンサー・ザ・フォン」「ソーリー・ナウ」もあるが、共通するテーマは”なつかしの80年代! 僕のサマーラブ!”近年はバンド外で「全米12人のセクシー・ガイ」に選ばれてしまったほどの色男、ボーカルのマーク・マッグラス兄さんでもひたすら”恋を終わらせない”と頑張っている。熱くて強い日ざしの中、サマー・ラブを直球で応援するバンド(玉手)


REGURGITATOR / EDUARDO AND RODRIGUEZ WAGE WAR ON T-WRECKS

http://members.ozemail.com.au/~adrianbright/index2.html

「ロックってなんだ?」とここ何年も感じている。ひと昔前まではディストーションをかけたギターと8ビートでロックンロール!だなんて簡単に思っていたことなのだが、それだけではくくれなくなってしまった感がある。ヒップ・ホップ、ラップ、テクノ、R&B、ジャズなどのさまざまなジャンルがロックバンドと融合し、大きな流れとして存在している気がするのだ。リガージテーターは豪州出身の2人組。通算4作目となるこのアルバムだが、いったい何者?というほどのぐちゃぐちゃさ加減で心地よい。ロック、ラップ、ヒップ・ホップが程よく混ざりあいオリジナルな空間を創り出している。リンプ・ビズキットのようなハードさな一面を見せたかと思ったら、ベックのようなルーズな曲まである。まさに70〜90年代の音楽を箱につめてひっくり返したらこんなの出来ましたってな具合だ。「ロック」という言葉に意味を感じなくなった評論家たちも増えてきているが、こういった無邪気で楽しそうな音楽こそ「ロック」として紹介して欲しい。だって「ロック」って時代とともに変化しているのだから。(児玉)








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