NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC REVIEW 17 August.2001


"URO"は札幌の音楽情報発信グループ。おもな活動としては、フリーペーパーの発行や、毎週月曜21時より音楽情報プログラム「週刊U-ROCK(ウーロック)」を FMラジオカロス78.1MHzにて担当。2001年8月よりグループ名を"UROTANGE"がら"URO"(ウーロ)にあらためました。









SUPER FURRY ANIMALS / RINGS AROUND THE WORLD

http://www.superfurry.com/

現代の新鋭ロックバンドの中で、ビートルズを意識し、かつ正統に敬承しているバンドはけっして多くない。継承するというのは真似ごとではなく、リアルで、進化しているものを指す。そういう意味では間違いなくこのスーパー・フューリー・アニマルズ(以下SFA)はビートルズの正統な継承者といえる。以前より、ポール・マッカートニーとの交流などでビートルズを意識せざるを得なかった彼らだが、通算5作目となる今作で発せられる音にはその確信がある。ただ、ここで断わっておきたいのは継承しているのはビートルズのキャッチーな部分だけでは無いということだ。音の広がりや、オーケストラの導入、エフェクトの手法など、ビートルズがレコーディングや作曲の際に行ってきた数々の音楽的偉業が、現代の形で鳴らされている。そして訴えたいこと。彼らの場合もみているものは一緒だ。世界である。タイトルからもわかるように世界の調和や融合を望んでいる。同じことを表現したレディオヘッドの「KID A」よりも個人的には彼らの方がよりわかりやすく取っつきやすい。プログレッシブなものが売れない日本でレディオヘッドが売れて、このSFAが売れないのは正直おかしな話だ。あなたなら世界のリアルをどちらで得る?(児玉)


TRICKY / BLOWBACK
http://www.trickyonline.com/

感動、ドラマ、恋愛、仕事、知識、盗み、映画、暴行、戦争、冒険、クイズ、生、希望、死。発達したメディアはあらゆる情報を提供し、僕たちは否応なしにそれを脳へ擦りこむ。いったいこの情報化社会が僕らに何の恩恵を与えてくれたか、などということは言わない。僕らはそこから糧となるエッセンスを集めていけばいいのである。ゆっくりと時間をとって考えてみて欲しい。生きることは死に向かって活動していることなのである。生の終わりには死が待っている。死を完成させるため生を組み立てているのだということを。そして死は僕らに何かを与えるものではないことを。決して永遠の安らぎを与えるものではないことを。この世の中の精神的、肉体的体験はすべて脳を満たす情報なのである。何かを欲する望みこそが人間の特権だということにすべてが収束していることを。そして批判や怒りなどではけっして無く、喜びこそが僕らの命の源泉なのである。そして僕は皆さんに素晴らしい音楽の情報を提供することに喜びを感じ、皆さんはその素晴らしい音楽に安らぎを得る。かくして今回は歌詞よりもリズムよりも純粋なグルーヴで一時の平穏を得ていただきたいと思い、このアルバムをチョイスしたのである。(城山)


STONE TEMPLE PILOTS / SHANGRI - LA DEE DA
http://www.stonetemplepilots.com/

90年代に吹き荒れたオルタナティブの旋風にひょっこり「インターステート・ラブ・ソング」などのヒットを放っていたストーン・テンプル・パイロッツ(以下STP)。フロントマンであるボーカルのスコット・ウェイランドがドラッグにはまり、解散説も流れた中、奇跡的に復活を遂げた前作「NO.4」は日本ではさほどヒットしなかったものの、全米ではいまだ彼らの存在が根強いものだと認識させてくれるヒットとなった。再びドラッグ漬けになり、活動休止も危ぶまれたもののなんとか更生し放出されたのが通算5作目となる今作。やはり日本ではたいしたプロモーションもなく、ヒットもしていないようすだが、全米ではやはりヒットしており、彼らの人気の健在ぶりを示してくれている。3作目の「ヴァチカン」以降、キャッチーな楽曲がなりを潜めてしまい、どうにも日本人の好みには合わない感じになってしまったのだが、今作ではシンプルでキャッチーな部分が全面に打ち出されているので、初めて彼らに触れるには良いアルバムかも。ポスト・ロックやヘヴィ・ロックの台頭でなりを潜めつつある現代のロックシーンを創り上げた90年オルタナティヴの残党。今ここでまた新しい世代にこそ聴いて欲しい。(児玉)








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