NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC Review FEB.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









THE SMASHING PUMPKINS / MACHINA〜THE MACHINE OF GOD  (東芝EMI VCJP-68165)

91年の暑い日に僕はスマパンと出会っている。ニルヴァーナの登場以来、曲の構成などお構いなしの勢いのバンドが続々と増えていた中、久しぶりに熱くさせてくれるバンドと出会い胸を躍らせた。通算5作目の今作を聴いた時、そんな10年近くも前の感動を思い起こさせてくれた。熱いのである。当人たち曰く「メタルなアルバム」とも言っているが、確かに頷けないこともない。限りなくスマパン流ではあるが…。そこにはやはりドラマー、ジミー・チェンバリンの復帰が大きい。彼のタイトでエキサイティングなドラムが、前作「アドア」でのリズム・マシンの使用で感じさせていた物足りなさを全て拭い去ってくれている。逆に、前作でも彼が叩いていたらどんなに良かっただろうかと悔やまれてならないくらいである。今度はベースのダーシーが今作を持って脱退し、変わりに元ホールのメリッサが加入しているが、音楽的にはジミーの不在程の変化は無いように思われる。まずはライブでその辺の解答が出るとは思うのだが。久しぶりにライブを観に行きたいと思った。(児玉)


THE BURIED LIFE / MEDICINE(american recordings/beggars banquetrecords ARBCD5)


 93年にスマパンが2ndアルバム「サイアミーズ〜」でアメリカを席巻していたときに彼らは登場してきた。今までは不快とされていたノイジーなギターサウンドが、人々の心を奪うものとなっていた頃である。艶やかな赤いチェリーのCDジャケットがディスクを再生したとたんに、けばけばしく目に飛び込んでくる。ブラッド・ラーナーの奏でるギターはそんな音だ。耳をつんざき、脳を刺激する。轟音ではなく、ノイジー。ヴォーカルのベスの声はそんなノイズの中に儚くもかすかに聞こえてくる。例えていうのであれば、アメリカン・レコードのコクトーといった感じか。様々なギターサウンドを駆使するギタリストが増えた中で、彼らの存在は異種であった。人の心地良さの硝子のような脆さギリギリのところで押さえている。ちなみに現在、彼らは活動しておらず、ブラッドも別のバンドをプロデュースしたりしている。たまに思い出すと、ふと、聴きたくなる。そういうところはまさしく「薬」のように常習的だ。(児玉)

カサノバ・スネイク/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT (TRIAD COCP-50245)

 外に出ると、雪が融けてアスファルトの現れた匂いが鼻先をかすめる。しかし我が家の黒いホンダ(中古)は軟弱なので、未だ乗れない。ここ札幌で、バイクに乗れる期間は実質半年(5〜10月)朝夕寒さでエンジンが止まる。ミッシェルが、また変わった。ライブホールを飛び出してアメリカンに跨がったら、遥かな大陸の荒野を抜けてメキシコの国境を目指 す。そんなロードムーヴィーの気分が全編を貫き、これは昨年の国内〜英米をライヴで飛び回った“旅情”から生まれている。チバのがなり声や言葉の羅列は相変わらずスリリングで「退屈な子供達はトウモロコシとファックしてる♪」Kチバは二輪免許を持っていない。けれども、その昔、フジ系“夕ニャン”で国生さゆりがアメリカを走っていた様に(BGM『あの夏のバイク』)いつでも皆、熱〜い空気の下で果てしないツーリングを夢みちゃうのかも。ミッシェルは7月3&4日にゼップでライヴ!(玉手)



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