NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC REVIEW 22 JANUARY.2002


"URO"は札幌の音楽情報発信グループ。おもな活動としては、フリーペーパーの発行や、毎週月曜21時より音楽情報プログラム「週刊U-ROCK(ウーロック)」を FMラジオカロス78.1MHzにて担当。









LISA LOEB / CAKE AND PIE http://www.lisaloeb.com/

ついこないだまでお互いうまくいってたはずなのに、気付いたらどうして関係が悪くなってしまったのか。往々にして自分の問題ばかり見つめていると、すっかり相手が離れていってしまう。90年代を代表するシンガーソングライター、リサ・ローブの4年振り、実に楽しみにしていた3rdアルバムは、ずばり"男と別れた匂い"がプンプンする。それほどに全編を貫いているのは、もの憂げなメロディーと歌声。そしてだる〜いテンポ。思いっきり黄昏ている背景には、実際にデビューの頃から長年の恋人であり、プロデュースもしてくれた人物との別離があったから。けれども、心の地獄・修羅場を経験した後に、しっかり新しいステディ、ドゥイーズィル・ザッパ(フランク・ザッパの息子)を見つけているあたり、縁ありメガネの自己主張はダテじゃない! 以前はフレッシュ・クリームが泡立つような雰囲気だったリサも、今ではビターな甘さが加味された大人のオンナになったとさ(玉手)


CREED / WEATHERED http://www.creed.com/

どこかに旅行したとする。自然が溢れるどこかに、旅行したとする。満天の星空の下、あなたの頭の中は矮小な悩みや世知辛い世の中の時勢は離れ、自分が大きな地球のなかではとるに足らない小さな存在であることを自覚し、魂の開放を得るだろう。自分の抱える悩みなど比較にならないほどの悩みを抱える、いや、悩む余裕すらない、一秒でも長く生きることのみに全精神を傾けている人々のために祈りを捧げる気持ちにすらなるだろう。2001年はまさしく世界が慟哭した年だった。ノストラダムスは1999年、世界に終わりが来ると言ったが、どの時代にせよ、その人が命を落とすときがその人にとっての世界の終わりであるし、胡散臭いほど遠い昔の予言など、世界のどの個人の運命をも明瞭に示してはいない。さて、一方わが国では底知れぬ不景気に嘆いてみたり、生まれたばかりの赤ん坊を様付けして呼んでみたりという目先のことばかりに一喜一憂し、世界に目を向ける余裕を持っていながらもほとんどの国民は鎖国時代から服装以外変わっていない。2002年を迎えたからといって何が変わる道理も無い。 個人個人が意識を持って変えなければ。アクションを起こさなければいけない。僕はここで洋楽を通して読者のグローバリゼーションを進めることで今年も少しづつ啓蒙していく。国内で人気の高いB'zが欧米では無名なように、欧米で近年稀にみる比類無き実力を出しながら日本ではサッパリ、というクリードのニューアルバムが今年最初の推薦盤だ。自然溢れる場所でなぜ人間は真の開放感を得るのか?それは地球の大きさを意識するとともに地球には自分以外に60億もの人々の命があることを同時に感じ、彼等と共に歩む幸福が想像に難くない精神状態になるからだ。つまり世界の幸福を望み、なにかの行動を起こすことがあなたの本当の幸福に繋がる。クリードの音楽で日本と海外の壁を取り除き、新たな年とともに新たな魂があなたに吹き込まれることを望む。(城山)








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