NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC MAY.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









RETURN OF SATURN / NO DOUBT

多くの女性の気持ちを代弁した大ヒットシングル「ドント・スピーク」を含む全米No.1アルバム「トラジック・キングダム」から5年。遂にグウェイン姉さんは帰ってきた。よりパワフルに、そしてよりセクシーになって。ブランクを感じさせないこのアルバム。本当にポップでキャッチー。ファーストシングル「エックス・ガールフレンド」は全米で早くも大ヒットを記録。続くセカンドシングル「シンプル・カインド・オブ・ライフ」も目下チャート上昇中。4曲目の「シックス・フィート・アンダー」なんかはミッシング・パーソンズ(80年代に登場したテリー・ボジオやをウォーレン・ククルロを輩出したバンド、日本のパーソンズもここから名前を取っている。)を彷彿とさせてくれる。スカやパンク色が強かった前作に比べると、今作はロックのダイナミズムを全面に打ち出している。彼女ら、5年もどこへ行っていたのかと思ってたら、土星(サターン)に行ってたのね。(児)

THE SPECIALS / THE SPECIALS

スカとロックの融合と言えば79年にイギリスから登場した彼らを忘れてはいけないだろう。白人5人、黒人2人編成のこのバンドが創り出すサウンドはまさにアナーキズムなスカパンク。ルーズな雰囲気で心地よい彼らの代表曲「ルーディーたちへの伝言(原題:A MESSAGE TO YOU RUDY)」や 「ワン、ツー」というカウントが印象的な「かわいい悪魔(原題:LITTLE BITCH)」、全英No.1シングル「トゥー・マッチ・トゥー・ヤング」等々格好良い曲が目白押し。プロデューサーにエルビス・コステロの手腕によるものか、チンピラ風スタイルの彼らの才によるものか、いずれにしても、これから来る暑い夏の日に是非とも聴いてほしいアルバム。シンプルながら一度聴いたら、思わず口ずさんでしまうインパクト持ってます。ちなみにノー・ダウトのグウェインは、彼らの様になりたいからバンドを始めたとか。(児)

勝訴ストリップ / 椎名林檎

 昨年夏に石狩湾で行われたライジング・サン・ロック・フェスティヴァルにて。本格的に夜になってからタクシーで駆けつけ、だだっ広い砂浜を移動し「じょ〜ぅお〜ぅ…」をきいた。肌寒い海辺の空気を伝いかすれ行く声だった。  あれから、林檎嬢は90年代史に輝く<宇多田ヒカル>に匹敵する現象となった(言わずもがな)店頭に並ぶ本作・桃色のパッケージ群※1からは、既に怪しいフェロモンが匂い立つ由。猥雑の中に潜む美しさや心地よさ、シンメトリー(左右対称性)に拘わった2ndアルバムは、彼女が思慕するピーター・グリーナウェイ※2の影響が見受けられる。恐るべき21歳の記録。最近では次の3枚目で<椎名林檎>を辞めると公言した彼女。純度を保つ為/治療したいとの話も頷ける、まずは6/5厚生年金に期待!!(玉) ※1・初回生産分だけの、スペシャル仕様。
※2・映画監督『コックと泥棒、その妻と愛人』 『枕草子』『ZOO』等と異彩を放つ

MIXED BUZINESS / BECK

遂に5月26日、札幌にやってくるベック。彼の最新作「ミッドナイト・ヴァルチャーズ」からのセカンドシングル。もちろんアルバム・バージョンも収録されているのですが、なんといってもウリはコーネリアスの小山田圭吾によるリミックスが収録されてる事でしょう。これがなかなか原曲と違っていてかっこいいです。ノリノリの曲がローファイな感じにリミックスされてます。5月のライブで は最高のステージを期待しつつ、それまでの間、このシングルを聴いて心待ちにしていたいですね。(児)


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