NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC JUN.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









PEARL JAM / BINAURAL(バイノーラル)

彼らの通算6作目である今作は「バイノーラル(立体的)」と名付けられたタイトルからもわかるように、多面的な楽曲が揃い色彩豊かなアルバムに仕上がっている。「ブレイカーフォール」、「ゴッズ・ダイス」、「エヴァケーション」とのっけから3曲も強力なロックナンバーが続き、ミディアムテンポでエディーのボーカルが切ない「ライト・イヤーズ」へ。そして今作最大の問題曲であるフォーク、ブルースといった色合いが濃厚なファーストシングル「ナッシング・アズ・イット・シームス」。この曲はいまだかつて無かった彼らの新境地となっており、彼らからファンへの嬉しい挑戦である。4作目の「ノー・コード」以降、激しさや勢いというものよりも、貫禄や落ち着きを持った円熟味のある雰囲気を持ちだした彼ら。今作はその集大成とも思える作品となった。かつてグランジの雄であった男達は、今やアメリカンロックの 正統な伝承者として君臨する。サウンドガーデンやスマパンのように解散せず、このまま息の長いバントとなっていって欲しいものである。(児)


奥田民生 / GOLDBLEND

タミオは新しいバンドを組まないのだろうか。前回<最高傑作>との呼び声高かった『股旅』から早や2年(ソロになってからもう5年)、毎度ツアーでもお馴染みのDr.Strange Love・古田たかし・斉藤有太というロック職人たちとの“擬似バンド”コラボレーションがまたまた<マスターピース>を出してきた。この春、念願の広島カープに入団した(タワーレコード4月広告より)“無精髭の34歳”タミオが何より「全力投球」で高卒ルーキーたちに挑戦しているのが嬉しい。器用かつ気骨のあるアーティストだと再確認できる作品である。CF等でご存知Aは最後に「本文と関係ない♪」で思わず脱力。(99年2月『月を超えろ』は未収録)6/16(金)ゼップサッポロでのライブも勿論楽しみなニュースだが、インタビューをみると「バンドがやりたい」というタミオに、是非とも…(玉)


TAXIRIDE / IMAGINATE(イマジネイト)

タクシーライドのファーストアルバム、「イマジネイト」から最初に耳に入っ てくるのはサードシングル「キャン・ユー・フィール」の美しいコーラスであ ろう。ボーカリストが強烈にインパクトのある歌声を聞かせるタイプのバンド が多い中、コーラスを一つの売りにでき、さらにメンバー全員がメインボーカ ルを取れる実力を持っているというのはめずらしい。なおかつ、楽器も回り持 ちできるというすばらしさ。彼らのサウンドは、どこか懐かしさを感じさせる ポップな楽曲が多い。しかも飽きさせないのは曲の質が高いからであろう。 去年の秋(向うは春)オーストラリアに一週間ほど行き、CD屋を何軒も回った のにもかかわらず、シングルを立て続けにヒットさせている彼らの存在に全く 気が付かず帰ってきてしまったことが悔やまれる。とにかく、また新作を楽し みに待つことのできるアーティストが一組増えたのはうれしいかぎりである。 日本での活躍も期待したい(小)。

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