NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC AUG.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









THE B-52'S / COSMIC THING

 ご機嫌なパーティーチューンから、切ないポップソングまでを縦横無尽に駆け巡り、強烈な個性が ぶつかり合い弾ける。とびきりにイカシていてイカレてるバンド、それがB-52'sだ。当初はガレー ジバンド的な風合いを見せていたが、色々なコラボレーションの末たどり着いたのが、おバカでキ ュートでポップなバンド。このアルバムには大ヒットした「Love Shack」や「Roam」といった元気 のある曲からから、60年代を懐かしむような「Deadbeat Club」、果ては「Topaz」のようなもの悲 しい曲まで彼らの魅力が凝縮されている。「ヘタウマ」という言葉がしっくりくる程に、チープで ありながらも彼らのスタイルは完成されている。演っている彼らも楽しそうだが、聴いているこっ ちも楽しい気分にさせてくれますよ。もっとも彼らに関しては映画「フリントストーン」(出演も している)での主題歌や佐久間正英氏のプロジェクト「NINA」へのケイトの参加等で知っている人 も多いのでは?(児玉)

THE HEADCOATS / HEAVENS TO MURGATROYD,EVEN!IT'S THEE HEADCOATS!

ガレージ界の帝王ヘッドコーツが解散しちゃったよぅ。またひとつ偉大なバンドが消えてしまうの か。 89年デビューして以来、世界中のレーベル(クリプト、サブポップ、K、ビニールジャパン、アン レプなど)からリリース、ソロなどを合わせると世に出たレコードは数えきれない。それだけ世界 中の人々に愛されたバンドなのだ。 そのヘッドコーツがグランジブーム爆発寸前のSUBPOPから90年 にリリースしたアルバムがこれ。小細工無しの純度100%のR&R、モノラル一発取りのようなサウンド と荒々しい演奏、ライブ音源のような臨場感。もういい歳のオッサンだけどすごく楽しそうに演奏し てる。再結成はしてほしくないけど、早く新しいバンドでビリーの姿が見れることを期待したい。 いつまでも子供のようで不良っぽいダメ人間さこそ、まさにR&R!現代のガレージパンクを知るには 最適な1枚。くれぐれも小音量で聴かないように。(dan)

TRAVIS / THE MAN WHO

それにしても、「〜の男」って一体何だ?アルバムのタイトルをみて、まずそう思った。 グラスゴー出身の4人組、トラヴィスと言えば、オアシスのオープニング・アクトをつとめたり、 今回のプロデューサーがモテモテのナイジェル・ゴッドリッチと、「周りがすごいバンド」という イメージが無きにしもあらずだったけど、一度聴けばそんなことはもう、本当に関係ない。メロデ ィーは静かで清潔な空気のある風景を思わせるし、イギリス人特有(?)の内省的な詩もすばらし い。とくに、オアシスの「ワンダーウォール」に触発されて作ったという「ドリフトウッド」では、 詩で韻を踏むのではなく、しりとりみたいなつくりにしていて、とってもユニーク。 ところでこのタイトル、「妻を帽子と間違えた男」という本からとったそう。結果的にか、WHOで切 ったことで、そこにたくさんの意味を付加できるタイトルになった。いやはや、なんとも想像力を掻 き立てられるじゃないですか?(泉田)

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