NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC SEPT.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









THE APPLES IN STEREO / THE DISCOVERY OF A WORLD INSIDE THE MOONE

「ロック」と言うと何故か「熱いモノ、激しいモノ」というイメージを持たれる事が多い。確かに多くのロックバンドはそうだろう。だが、最近はそういうモノよりもむしろキャッチーでポップなバンドの方が多い。初期のビートルズもそうだったように、シンプルなモノにロックの神髄が詰まっている場合もあるのだ。ロバート・シュナイダー(g)率いる彼らもシンプルかつ、ポップなバンド。デビュー当時はノイジーな雰囲気もあったが、今年発表された今作では余計な気負いもなく自然体な楽曲が並ぶ。親しみやすいメロディーにトロンボーンやピッコロといったホーンで味付けしている辺りが憎らしいほどきまっている。50〜60年代へのオマージュとも思えるザラザラ感も秀逸。ロバートの個人での実験的プロジェクトを経て辿り着いた「アップルズ〜」での心地よさ。個人プロジェクトではなくバンド故の音楽観。それはいかに上手いか、いかに格好良いかではなく、いかに音楽を楽しんでいるか。そこにロックの神髄がある。(児玉)


STONE ROSES / SECOND COMING

わずか数枚のアルバムしか残していないのにもかかわらず、その後の音楽に多大な影響を与えた人たちがいる。セックスピストルズなんかが良い例であろうか。ストーンローゼスのオリジナルアルバムはたったの2枚であるが、いわゆるマンチェスターブームに留まらず、その後のUKの音楽シーンに与えた影響力ははかり知れない。ここで紹介するのはファーストアルバムから6年もたってから発表されたセカンドアルバムである。ファーストで見せた小気味良いダンサブルなリズムと、イアン・ブラウンのささやくような歌い声はそのまま残してはいるが、クリアトーンが大半を占めていたジョン・スクワイアのギターには大きな変化 が見られる。深く歪んだ彼のギターはときにはイアンの声と共に歌い、ときには背後でリズムを刻み、ときには歌をかき消すかのようなうねりを見せる。似ても似つかない2枚のアルバムであるが、ローゼスに影響を受けて音楽を始めたアーティストがこれからも誕生してくるだろう(小西)。


TEENAGE FANCLUB / BANDWAGONESQUE

バンドワゴネスクとサーティーン、TEENAGE FANCLUB(以下TFC)を語るうえで外すことのできない二大アルバム。今20代後半の人ならバンドワゴネスクじゃないかな? どちらのアルバムも重要だけど、90年代というオルタな時代の始まりを考えるとバンドワゴネスクのアルバムの方が重要だと思う。ジザメリのようなノイジーなギターサウンドに、暖かく包み込むような優しいメロディー。特にヒネリもなく珍しくもないサウンドだけど、なんでか心が落ち着いてイヤな事も忘れさせてくれるんだよんね。そもそも彼らはパステルズとかBMXバンディッツ等のアノラックサウンドに影響を受けていて、実際彼らもこれらのバンドで一時的だけど活動してたんだよね。そういった彼らのキャリア見てもこの優しく暖かいメロディーってのが納得いくでしょ?アメリカのベルクラと共に90年代最高のギターポップバンドだということは誰もが認める事実だよね。反論ある?(dan)


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