NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC SEPT.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









GREEN DAY / WARNING

今夏、サマーソニックで観た彼らは誰から観ても出演者中一番のエンターテイナーだったと思う。完成されたパフォーマンス。緩急自在の楽曲陣。良くも悪くも大御所エアロスミスやメタリカ並みのステージングといっても決して過言ではなかった。そういう貫禄を見せつけてくれた。そんな彼らの最新作。「ウォーニング」というタイトルから激しい音を期待すると痛い目に遭う。「ドゥ?キー」の頃のガチガチにブッ飛んでいた彼らからは想像できない程に肩の力が抜けている。攻撃的な素振りだとか疾走感溢れる曲だとかそういうものをかなぐり捨て、純粋に歌で勝負している。この変わり具合には多少面喰らうかも知れないが、彼らがパンクという枠を超え、新たなる一歩を進みだしたのは確かだ。登場してきた頃は無表情で憮然としていたビリー・ジョ?の顔が笑ったり、泣いたり、怒ったり・・・。実に表現豊かなバンドになったものである。(児玉)


JAMES IHA / LET IT COME DOWN

「良い歌ってのはギター一本で歌ってもいいものだ」という言葉を聞いたことがある。確かに元のエレクトリックな仕上がりの曲がアコースティックにアレンジされて歌われているのを聴くと、グッとしまって良い感じに聴こえることは少なくない。ジェームス・イーハがスマッシングパンプキンズのギタリストであることは今更言うまでもないだろう。このアルバムは彼のソロアルバムである。このアルバムではスマパンでの彼の独特な轟音・ノイジーなギターサウンドはまったくなく、アコースティックなサウンドに「泣き」のメロディが満載という彼の新しい音楽的な側面を見ることができる。錆びついた弦を取り替 え、ちょっとまたギターの練習でもしようかと思わせる一枚だ。スマパン解散後のイーハの動向はまだわからないが、個人的にはこのようなアコースティックサウンドをまた届けてくれることを期待している(小西)。


BROTHER CANE / WISHPOOL

近頃は「ロック」や「バンド」という言葉が妙に古くさく聞こえ、使うのには少 しためらいがある。ロックが市民権を得てから細分化と他のジャンルとの融合 を繰り返してきたために「ロック」という言葉そのものの定義が多様化してし まったが、ブラザーケインの音楽を表現するのにはやはり「ロック」という言 葉以外には思いつかない。できれば、「ロック」の前に「ハード」という言葉 はつけたくない。つけるとすれば「アメリカン」の方がふさわしいだろう。こ の作品は彼らの3枚目の作品で、同じメンバーでアルバムを作ることはこの先 ないようなので、実質的に最後のアルバムとなりそうである。疾走感溢れる1 曲目から後半にかけてじっくりと聴かせる曲になっていく。デーモンの低く響 く声もまた「ロック」である。改めて、ロックの直系の継承者ブラザーケイン が展開するアメリカンロックを全身で感じ、まだまだ「ロック」も捨てたもの ではないと感じた(小西)。


レビューの感想などありましたらここまでおよせください。



|urotange TOP| |WEB GUIDANCE|