NUMERO DEUX UROTANGE

UROTANGE DISC NOV.2000


「洋楽って何を聴いたらいいのかわからない」、という方のためのガイド的な誌面作りがコンセプトで札幌市内のC D店など約50カ所以上に配布されているフリーペーパー「UROTANGE」(ウロタン)が、ライティングするディスクレビュー。このグループは、その他「週刊UROTANGE」というラジオ番組(ラジオ・カロス78.1MHz/金曜12:00より)も担当しています。









THE WALLFLOWERS/BREACH

寒くなってきた。隠れ季節労働者、ウォールフラワーズは、今回も秋冬にアル バム発表だ。(って言ってもまだ3枚目だけど。)結論から言うと、かなりい い。聴くたびに良くなる気がするし、スライド・ギター、オルガンやピアノを 使ったアレンジも、回想するような甘酸っぱさがある。確かに、前作「ブリン ギング・ダウン・ザ・ホース」の1stシングル、「ワン・ヘッドライト」的 なインパクトだけで言えば、今回の作品には欠けているかもしれない。しかし ながら、というかだからこそ、今回は違うアプローチが見えるのだ。というの も、一曲目からヒドゥン・トラックに至るまで一連の「流れ」があって、何か 一つの物語を展開されているように感じさせる。つまり、アルバムとしての完 成度はそれだけ高くて、ついリピートにして何度も聴かせる力がある。これは スゴイ事だ。物語といえば、ジェイコブ・ディランの詩もストーリーテリング・ スタイル。そういった意味で、今作は詩・曲共に本領発揮といったところか。 (泉田)


RADIOHEAD/KID A

限りなく透明に近い真っ白な世界。何もなく誰もいない。恐れや不安、孤独な どない無の世界。一本の道がありその先には扉があり、光が見える。自分のペー スでゆっくりと歩いて行く。しかし、いっこうにたどり着くことができない。 扉は遠のくばかり。このような映像がこのアルバムを聴く度に頭に写し出され る。まちに待ったとも言えるの第4作目のアルバム「KID A」。現代社会 の混純や矛盾を、そらす事無く真実として一身に受け止め、その中でひたすら 生きていくという姿勢がボーカルのトム・ヨークの描く詩の世界から理解でき る。サウンドは、エレクトロニックが主流となっていて、前回のアルバム「o k computer」とは遥かに異なったものになっている。単純なドラム やギター音はかき消されている。レディオヘッドはもはや、ロックという域を 超越してしまったのか。挑戦的ともいえる今回のアルバム。これからの彼らの 作品が、どのようなものになっていくのか。また期待したい(成松)。


SUNNY DAY SERVICE/LOVE ALBUM

サニーデイは今まで聴いたことがなかった。去年の秋にリリースしたトラキャン (シナトラズだよ)のシングル「SNOW」に参加してたのがきっかけで僕のサニー デイ注目度がアップしたんだ。 確かにトラキャンとの交流で英国インディーが好きなんだなってのは感じたけ ど、実際に音を聴いてみてネオアコっぽかったりマンチェだったり僕が考えてた 以上に影響を受けてるみたいで驚いたね。僕はあまり雑誌のインタビューとか読 まないからどの辺の音を聴いてたとか何に影響を受けたとかって知らなかった し、曽我部さんの様相にしてもどう見てもネオアコって感じじゃないでしょ。で も、ただマネしてるだけじゃなくて完全に消化しきってJ-POP風っていうか国産 サニーデイ流ポップに変えてしまったと思うのね。例えばパーフリにしても今で 言うJ-POPって感じより80年代UKインディーを日本人がやってるって感じだっ たでしょ。だから所謂J-POPとはちょっと違うと思うんだよね。そういう意味じ ゃ見事にJ-POP化してしまった サニーデイはすごいと思うのだ。(dan)


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