INTERVIEW

009 CAI(現代芸術研究所)

2007.06.17

Numero deux
SPECIAL


009 DEC.1999."about Contemporary Arts"
nterview with Baku Osawa CAI Director

(INTRODUCTION)

    特集:コンテンポラリーアートについて

    先月、北海道近代美術館でおこなわれた、「"パサージュ"フランスの新しい美術」という企画に行ってみた。フランスの現代美術(コンテポラリーアート)の最前線が大きなスペースを使用して紹介されていて、このぐらいの規模の美術館でしかできないものであり、非常に意義のあるものだったと思う。図録も作家別に、色違いのノートふうのブックレットのなっていて、それらが透明のプラスチックのケースの入っていて実用的にもデザイン的にも優れたものになっている。また、このような企画を期待したい。

     もうひとつ、現代美術といえば、8月まで、ロンドンに留学(留学中から彼女からメールがきていた)していた三次まゆみさんとお話をした。彼女は留学先でいくつかのコンテンポラリーアートのエキシビジョンに足をはこんでいて、そのレポートをhttp://www.geocities.com/same_jp/にアップされているのでチエックして欲しい。それらを観ていると、自分の身近にもっと「今」のアートを楽しめる環境が欲しくなってくる。

     そして、札幌で現代美術といえば地下鉄西28丁目で降りて数分のところににCAI(現代美術研究所)がある。去年より活動が開始されて施設で、来年よりスクールが開設する。ディレクターの大澤幕さんにインタビューしてみました。おもにスクールを担当をなさっているので、そのカリキュラムについてのお話しが中心になっています。



(INTERVIEW)

—–CAIは、現代美術研究所という略称なのですが、それでは現代美術って何なのでしょう?

     よく聞かれますね(笑)。難しい質問です。誰が代表的なアーティストといわれても困るし、そんな人はいないのかもしれません。また、人が計れるものでもないかもしれません。ただ、変わったことをやればそうなのか、といわれれば、そうではないと答えますね。やっている人のみがただおもしろい、と感じるものではいけないと思います。作品が観る側の批評などを受け入れていくような雰囲気がないと、前に進めないような気がしますね。その辺をクリアーできれば、何でも現代美術になりうると思います。コンテンポラリーアート、ファィン・アート、とかいろいろカテゴリーはありますが、それらは重なっていたり、ゆるーい区別にすぎないですからね。

—- 大澤さんのCAIでの役割を教えてください。

    私はスクール担当なので、自分自身のCAIでの役割としては、「アーティストになりたい」という人をサポートしていきたいですね。他の講師の方々もアーティストとして実力のある方々なので、その辺もスクールの魅力だと思います。札幌とか日本とかではなくて海外にもつながっていくアーティストを育てていきたいです。それと、ギャラリー的な機能としても、単に平面的な作品展示のみではなく、立体とか音楽とかダンスとかのパフォーマンスを観せていきたいですね。もちろん、スクールの卒業生の展示をすることもあると思います。ただ、単にスクールの卒業生だから、という理由で展示会ができる、というのは避けたいですね。そこは他の展示アーティストちゃんと作品を審査して、しかるべきもの展示していきたいです。CAIのギャラリーの機能として、有名なアーティストだから、観に行くでももちろんいいのですが、無名でも「CAIの展示だから観に行く」といって信頼感みたいなもの作ることができたらいいな、と思っています。

—–CAI SCHOOL の特色を教えてください。

    生徒が20人だけの学校です。ただぼやーっと就職のため、とか思って入学すると困ると思います。就職の特別なノウハウを教えるところでもないし…そいいう意味では一般的な専門学校を出ている方がここに来る、というのもありだと思います。もちろん、カリキュラム的には高校を出たばかりのまっさら方々から対応できるものになっていますけどね。現在入学願書の受付をしているのですが、18歳の方、40代の方まで幅は広いですよ。

—-特色のあるカリキュラムの内容を教えてください。

    講義は現代美術史から教える訳ですが、これはそれ以前のクラッシックなものを理解しているとことを前提にしてポイントを絞って教えていくことになります。マルセル・デュシャンからはじまってバウハウスのあたりまでフォローすると思います。 そして、「クリエーション」「コンポジション」などの独自のカリキュラムがでてきます。たとえばですね、「できるだけ小さく文字を書いてください」とか課題がだされます。(以下、主なカリキュラムの簡単な説明)

{アートセオリー}

    これはですね、生徒が作品、それは平面でも、立体でも、音楽でもかまわないのですが、それをみんなの前で発表する訳です。一種のプレゼンみたいなもので、コンセプトとか説明する訳です。そして、観る側が批評すると、そういう内容です。実は、今年夏のおこなったセミナーも続きとしてで同様のものをやっています。もちろん、「いい作品ですね」といった実に当たりさわりのないものではなくて、もう白熱していて濃いですよ(笑)。

{コンポジション}

    これは毎週宿題みたいな感じで、講師からテーマを出して、それに基づいて作品をもって来てもらう。そして、アートセオリーのように発表して批評を交換するという感じですね。

{クリエーション}

    コンポジションよりもって狭い感じで、テーマを限定します。私の場合、このサイズ、でこれこれでクリティークの時間がポイントですよね。CAIとしては。「いい作品です」なんて感想は許しません(笑)なあなあでやりたくないですね。ディスカッションが重要です。

{写真}

    これはもう、ピンボールカメラからはじめて、原理、撮影、現像までしていき、CGまでつながっていきます。

{野外研修}

    クラス全体でテーマを決めて、外の出ます。たとえば「円山のゴミを拾ってそれらで、作品を作るとか。いろいろありますよね」

—–最後にひとこと

    CAI SCHOOLは自分自身で、勉強しなければいけないことがたくさんあると思います。学校のカリキュラムは自分の勉強してきたことの発表の場というウェイトが高いです。そういう部分で大変ですが、やりがいはとてもあると思います。でも、絶対楽しいものになると思っています。

(CAI DATA)
CAI 現代芸術研究所
札幌市中央区北1条西28丁目2-5
http://office@cai-web.com/
office@cai-web.com


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