INTERVIEW

014 アメリカン・ショート・ショート・フィルム・フェスティバル」

2007.06.22


014.May.2000." Amrican Short Shorts Film Fesetival"
Report by NUMERO DEUX

(INTRODUCTION SPECIAL 014 )

    長くても30分にも満たない映画、それらはショートフィルムと呼ばれる。昨年、東京、沖縄で成功した「アメリカン・ショート・ショート・フィルム・フェスティバル」が全国ツアーとなり、今年6月札幌でも東急ハンズ裏の南2西6ビルにできる多目的ホール「EDIT」でおこなわれる。4/21(金)でおこなわれた記者会見&プレビューをレポートしてみました。

   (REPORT)

     4月21日(金)、東急ハンズ裏の南2西6ビルにて『アメリカン・ショート・ショート・フィルム・フェスティバル』の試写記者会見が行われた。札幌では初の映画祭。定刻と同時に会場は暗くなり、テンポのいいコマーシャル映像が流れ出す。その映像だけで期待は十二分に盛り上げられていた。

    「ショート・フィルム」と言うと何となく意味はつかめるが、日本ではどうも馴染みが薄い。アメリカやヨーロッパの映像文化の中ではしっかりとした評価を得ている映画形態のひとつで、短ければ2〜3分、長くても30分程度の短編映画を指す。欧米ではそれらのショート・フィルムも映画のひとつとしてきちんと認識されているが、日本では短編というだけで「低予算の格の低い映画」だと思われがちである。その誤解を取り払い、ショート・フィルムの確かな質の高さを多くの人に伝えようというのがこのフェスの主旨だ。

    昨年の第一回目が東京と沖縄で俳優の別所哲也氏を代表に迎え開催された。動員数約一万人。今年は更に拡げようと、東京・名古屋・大阪・那覇・札幌の全国5大都市ツアーとなった。札幌では6月8日〜11日の4日間、同ビルの地下に建設される多目的ホール“EDIT”にて行われる。約10本のショート・フィルムを1プログラムとし、3種類を上映。内容は、その名の通りアメリカ作品である『アメリカン・ショート』を中心に、映画黎明期の作品の『ヴィンテージ・ショート』、アメリカ以外の作品の『インターナショナル・ショート』。その他特別招待作品として、マーティン・スコセッシ監督の作品も上映される。各地方で個性を出すためにそれぞれイベントも企画。札幌では前夜祭に塚本晋也監督が来る。

    札幌の主要実行委員メンバーのひとりであるシアターキノ代表の中島氏は「こうした作品もあるんだと知ることで、若い人たちの映像作家への道が拓ければ」と話す。当日、司会を務めた札幌での実行委員会プロデューサーの久保氏(上写真)も「このフェスティバルを継続させ、ゆくゆくは日本人の作品を取り上げたり、一般に公開作品を募集したりしたい」と今後のビジョンを語った。

    試写による作品はどれもユニークで面白いものばかり。ユアン・マクレガー主演の “Desserts”は5分足らずの作品だが、思わぬ展開に緊張と笑いが走る。アートと生活の狭間で苦悩する芸術家を描いた“Artists Dilemma”はフィンランドの作品。人生の岐路をユーモアたっぷりに見せる。『ヴィンテージ・ショート』として上映されたチャップリンの作品は、サイレントながら分かり易く興味深かった。圧巻はイビケイコ監督のドキュメンタリー作品“Parsonal”。等身大の自分達を描いた芝居に打ち込む老人達を追ったもので、人生の悲哀と、言いようのない深い余韻を残した。

     上映された作品もそうだが、走り始めたばかりのこのフェスティバルは、何かを創造しようとする情勢と輝きが宿っていることを強く感じた。このような活動が広く浸透することを願いたい。

     ちなみにチケットはピヴォとシアターキノで販売される。問い合わせはアメリカン・ショート・ショート実行委員会事務局まで。料金は前売り2500円(当日3000円)で3プログラム。当日のみ1プログラム1200円のチケットも発売される。

Report + Text by Keita turumaki & Asmi Hoshino
Photograph by Asmi Hoshino

(MORE INFORMATION)
アメリカン・ショート・ショート実行委員会札幌事務局
Web Site http://haj.co.jp/shortfilms/

 


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