INTERVIEW

025 TIGER MAGAZINE

2007.06.30


タイガーマガジンとは?スタッフ・インタビュー

    今年の2月に突如、インパクトのあるフリーペーパーとして「プレビュー号」が配布され、そして4月本格的な雑誌形態の「第一号」がリリースされた、札幌発のカルチャーマガジン「タイガーマガジン」この新しい雑誌は何なのか?どんな人達が作っているのか?

    本記事がアップされるころにはパルコブックセンター、ピヴォブックセンター、など札幌市内主要書店などで本誌を入手することができるだろう。リリースされたふたつの「タイガーマガジン」について解説。そして、制作スタッフにインタビューしてみた。これで君も「タイガー通」。そうしたら、みんなに「タイガーマガジン」を教えてあげて欲しい。もし、また君自身がゲットしていないなら、すぐ書店に行くべきだ。この雑誌には「違う可能性」がある。
text by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)

NUMERO DEUX SPRCIAL 025
TIGER MAGZINE Interview with Tiger Staff
取材日時:2001.04.09(sun) 17:40-19:00@タイガーコーポレーション事務所
取材協力 TIGER CORPORATION Inc.
NUMERO DEUX net magazine Copyright.

   


"TIGER MAGAZINE Preview issue" / February.2001/P8/ Price FREE

    2 月10日(土)リリース。オールカラーページ、写真中心の構成で、架空のエリートサラリーマン、「イシカワ」が、仕事を辞めて「タイガーマガジン」を制作していく過程を、軽いストーリー仕立てでポップに構成されている。制作風景のページでは実際の市内デザイナーの事務所にお邪魔してイシカワが作業している写真を撮影しているところがユニーク。(対訳)という形で、タイガーコーポレーションの基本姿勢について、マジメなテキストも読むことができるPR的要素が高いプレビュー号。市内のカフェ、アバレル系ショップを中心に配布。


"TIGER MAGAZINE Issue 01/April.2001/ P65/Price 500yen

    4月10日(火)発売の本格的な雑誌スタイルをとった第1号。500円と有料化されページ数も65ページとヴォリューム感を出している。特集では「キヤッチボール」をテーマに、市内を中心にカルチャー関係者にキャッチ・ボールをしているフォトを撮影し、対談を収録。その他、実際のキャッチボールについてグラフィックスを交えて解説やコラムを掲載。第2特集として「喫煙」についてさまざまな角度から取り上げ、「禁煙」のお店などを紹介しているのもユニーク、そして、本記事と連動して、タイガーマガジンオリジナルのバンザイ・ペイント、常磐響、エクストラデザインらの「携帯灰皿」をリリースを発表。グッズとして販売予定。その他レギュラーコラムなども充実。なにわ書房、パルコブックセンター、ピヴォブックセンター、市内の主要書店を中心に販売展開中。小樽、旭川、岩見沢、函館、釧路など道内でも取扱店あり。お問い合わせはメールで。

Interview


●Producer:Masahiro Hamamoto(birth.1974)

    タイガーマガジンをやることにしたきっかけは「動き」を起こすものを作りたかった。そのための媒体を作りたかった。なぜそれが雑誌という「紙」であったかという理由は、雑誌は高額のものではないし、みんな入手するとができて、存在感のあるものだから。そして、テキストを読む楽しみもあるし、グラフィックを見る楽しみもある。そして、それがグループの中の良い媒体になったらいいし、グループとグループをつなぐ媒体になればよりいいと思う。具体的に内容については、簡単にいうと「量より質」で、セレクト・ポイントを打ち出していきたい。でも、テーマは実は何でもいいと思っている。なにか突飛なものをやっていく意識はない。例えば、1号の特集テーマのひとつは「キヤッチボール」という誰にでもわかりやすい題材をタイガーマガジンというフィルターを通して提示している。そのフィルターが一番大切。タイガーマガジンというのは、テーマを選ばないという部分で「凄い自由」だけど、同時にそれにスタッフ相互間のコミニュケーションで作られるタイガーというフィルターを通過しないといけない、という部分では「凄く制約」があるという矛盾がある。でも、今のスタッフはそれを絶妙なバランスやれるメンバーだと思っている。


●Editor in Chief: Masashi Osaka(birth.1973)

    タイガーマガジンについてはわかりやすいものを作りたい。具体的にスタッフと考えたタイガーのコンセプトはプレビュー号に書いてあるとおり。一言でいえば、コミュニケーションする雑誌で、読者に「こんなのあるかも/ありかも」といったなんらかの価値観が提示できて、それがみんなのアクションにつながってくれれば一番だと思う。創刊号は、良い写真と、良いテキストで構成していくアイディアで作ったが、満足していない部分も多々ある。次号はまた全然違う発想で作るかもしれない。僕は以前「ホワイテスト」という雑誌を作って、いろいろな事情で休刊したのだけど、その反省点はタイガーマガジンの制作にフィードバックしていきたいと思う。社長の濱元は、“不思議な人”という印象がある。「タイガー」という誌名に凄いこだわりがあるかと思えば、その他のことについては自由にまかせてくれたり。沖縄出身で、今はなぜか札幌にいて、「タイガーをやっていなかったら、今ごろ京都にいたと思う」と言っていたり。


●Art Director:Nobutaka Sato(birth.1973)

    タイガーマガジンについては、「一目置かれたい」雑誌でありたい。媒体というのは「強い存在」でなければ、ならないと思う。「おねがいする」雑誌ではなく、「おねがいされる」雑誌でありたい。そのためにはおもしろい雑誌を作らないといけないな、と思う。1号を作った素直な感想としては、インディペンデンントな雑誌を作る出発点にいると感じた。今だ進行形であり、本号のフォーマットで今後もやっていくとは限らない。僕もそうだけど、他のスタッフは今回、「なぜか」潜在能力のすべてを出し切っていないような気がする。1号については必ずしも満足していないけど、チャレンジする姿勢があるのは良い点だと感じる。社長の濱元は「チャレンジャー」だと思う。そして、楽しんでいいものを作っていきたい人。


●Designer:Yohsuke Tam(birth.1973)

    僕はタイガーマガジンでデザイナーになるまでは、ずっと東京でデザインの仕事していた。それは広告デザインで、雑誌というのは初めて。今回の一号の制作はハードで、午前3時、4時までというのもあったが、以前の仕事よりは事務所に来る時間あるて程度自由がきくので楽だったかもしれない。タイガーでの肩書きはデザイナーだけど、実際は編集/制作についても意見できるし、自分の好きなこともできていると思う。以前の職場とは雰囲気は全然違うと感じる。例えば、今号のキャッチボール特集の"Catch Ballers in the town"という企画ページでは、以前の仕事なら、カメラマンがいて、その他スタッフがいて、自分はディレクションするというのに対して、タイガーの場合は、自分でデジカメで撮影したりするような制作スタイルがあるのは以前とは全然違う。社長の濱元については、おもしろい発想をする人だなぁ、と思う。ふたりで事務所で仕事をしているときも、どんどんアイディアを出してくる。そして、それついて「それは違うでしょう!」と反対意見も気軽にいえるのが、以前の仕事での「社長」との最大の違いかな。


●Editor:Suzuko Takeuchi(birth.1976)

    北海道は食べ物・お水・空気がおいしくて、四季が明瞭で、土地が比較的安くて、一戸建てだって夢じゃない。食・住は、うれしいほどわたしの欲求をほぼ満たしてくれる。しかし、大人が遊ぶところが少ない! 着るものが売っていない!正確にいえば着たいものが売っていない!毎シーズン東京に旅立つようになった原因がこれ。わたしは、もっとみんなにおしゃれにどん欲になってほしいと思う。おしゃれに遊ぶこと、おしゃれに着飾ること、おしゃれにデートすること。ひとりひとりの意識が高くなれば、札幌は絶対に変わるはず。そのリーダー的な役割をタイガーマガジンとともに担えていけたらと強く思う。タイガーマガジンが札幌の震源になって欲しい。1ヶ月おきにドキドキして、たえられない北海道のみんなの魂を揺さぶる雑誌でありたいと思う。作るのも楽しく、読むのも楽しくて、そしてとにかくかっこいい雑誌にしたい。予震には十分ご注意を。社長の濱元は、無理・無駄・無謀なことを頑張ってやってしまう人。

after hours
取材を終えて

    札幌の新しいカルチャーマガジンが生まれる、といった話しは実はよく聞く話である。話しだけで終わったものもあるし、2、3号までは発行されて終わってしまったものもある。それらの過去マガジンと「タイガーマガジン」とはちよっと異質なものを感じている。それは、「攻撃は最大の防御」というタイガーの習性(未確認)なのか、手堅い部分をあえて出さずにインタビューでも語られているが「チャレンジ精神」モットーにしているところからもわある。その姿勢をひとつのスタイルとして僕たちは見習うべきではないだろうか?
inteviewer SHINICHI ISHIKAWA(NUMERO DEUX)

 


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