「SHOWCASE experiment02 back to back~本は発する~」
期 日:2008.10.24-10.26
会 場:遠友学舎(北大構内・北区北17西8)
北海道大学構内にあるスペース、遠友学舎を会場に北大にて建築を専攻している大学院生、畠山雄豪・桐圭佑・高橋拡夢の3人の自主グループ「OUR EYES」による企画・制作の写真展示が行なわれた。
その内容は、札幌在住の写真家 竹本英樹、アキタヒデキに加えて、東京で活躍するテラウチマサトの500点にも及ぶ作品を、あえて壁面を使用せず天井から吊るす方法や、床に設置する方法で展示を行なった。これは建築を専攻する「OUR EYES」のよる独特の空間演出である。
一般的に写真展は壁面を使用してシンプルに写真の良さを出す形で紹介していくものが多い中、本展示は大変ユニークなものだといえる。
その理由について、聞いてみると、インターネットによって気軽に世界中の写真家の作品が観られるようになった現在、あえて現実の空間を使う理由を強めるため、フラットなコンピューターの画面ではできない展示にしたかったそうだ。
また、僕たちの日常では、写真とは雑誌の中でページをめくったり、街などで広告の写真を見るときは意外と写真を正面からキチンと観る機会は少ない。ところが、一般の写真展は正面から写真をキチンと見ることになり、非日常の体験だといえる。なので本展示では、写真をあえて正面から見せないことを日常と捉えて見せかたを考えたという。
展示は、会場のすべてのスペースを使ったもので、会場の一番奥がメイン会場になっている。そこまでの道のりが床に設置された、まるで本のページを開いたような形の写真展示によって動線として導かれているのがユニークだといえる。
また、本会場の入口ひとつのスペースを使用して東京の会社、コスモスインターナショナルの協力により、印刷用のインクジェット用紙「ピクトラン」を使用した写真作品の展示もあった。
「OUR EYES」のメンバーは、来年卒業で今後の進路はそれぞれの予定されているが、本プロジェクトの新たな活動にも期待していきたい。