■ モノクロの中に捉えられた「自転車」
「 個展『NG』takashi kokusyou photography exhibition」
会 期:2010年4月24日(土)~4月30日(日)
会 場:OYOYO まち × アートセンター さっぽろ (南1西6)
OYOYO まち × アートセンター さっぽろの写真部に属するフォトグラファー國生隆司による初の個展が行われた。國生隆司は学生の頃は写真部等に属したことはないが、昔からスナップ写真を撮るのが好きだったという。
「スナップ写真とは?」と國生隆司に聞いてみると、その定義はいろいろあるけど、自分では被写体に意識させないで撮った写真だと考えるという。今回の個展でもスナップ写真が多く出品されていた。
デジタルカメラを使いはじめたのは10年ほど前。今回の個展では、デジカメでとりためた作品の中から20点をセレクトして展示した。テーマとしては、札幌の風景でモノクロ、横の写真で選んでみたということだ。以下展示の様子を紹介していこう▼
▲ 会場全景。左にあるノートPCでは、今回展示できなかった他の作品をスライドショーで自由に観られるようになっていた。また、会場では作品のポストカードも販売されていた。
▲ 作品は、街中の光景や、空の景色など多彩であるが「街中に駐輪してある自転車」をテーマにした作品が個人的に興味を持った。
▲ 國生隆司にこうした自転車を撮る理由を聞いてみると、「人がいないのだけど、自転車の存在がそれに乗る人の存在を感じさせる」といったところに興味があって撮るという。
▲ たしかに、自分も意識してみると街中には無数の「誰のものかわからない自転車」が存在していることに気がつく。持ち主の帰りを待つのもあるし、捨てられたものもあるだろう。
上の雪に埋もれつつある自転車の作品を観ると、なにか心に寂しさというか、独特の感情が生まれてくるのがわかる。不思議なテーマだと思い、同時に國生隆司の視点のユニークさを感じた。
最後に、國生隆司に今後の予定を聞いてみると、これから定期的に個展を開いていきたいという。今年もあと一回はやりたいと語ってくれた。その内容はまだ固まったものではないが、次回はスナップではなく、人物や静物写真、カラー作品の展示や、写真撮影についてレクチャーするイベント的構想もあるという。次回が楽しみである。
Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)