札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員インタビュー005
事務局長:西川
吉武(にしかわ・よしたけ)
札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。
札幌初の国際的な総合芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。
今回は事務局長の西川吉武に話を聞いてみた。西川は経営コンサルタント会社ビーシーコムの代表であり、札幌交響楽団公認のファンクラブ「札響くらぶ」の副会長でもある。その視点は「つながり」にあるようだ。
『私は大平さん(実行委員長)、端さん(芸術監督)のつくる壮大なコンセプト、イメージを信じています。私が事務局長として意見させてもらうなら「市民とどうつながったのか?」ということなんです。』
Interview with Yoshitake Nishikawa
「私は事務局長をしています。自分の仕事は裏方かなと思います。ビエンナーレに関係するアーテイスト、スタッフは、カルチャーの違う人の集まりで、それぞれの価値観も違います。そういった人とのあいだをつなぐのが自分の仕事だと思っています。さらにはアーティストと市民もつなぎたい。つなぐことによって、win-win(双方有益)の関係ができて、意味のあるつながりになって、大きなうねりをつくれればいい。それがビエンナーレを成功させるポイントだと思います。その詳しいお話をしたいと思います。
なにかを変えていきたい時、つながらないとはじまらないと私は思います。つなぐことによって意味が出てくる。つながるなかで「ああ、そうか」と気がつくことがたくさん出てくる。様々な価値観を持つアーティスト、スタッフ、市民を結びつける。それによってアーティストや市民の変化が起きることも狙いです。
札幌ビエンナーレは、ただ観せる、観るで終わる行為ではないと考えています。どうすればアーティスト、市民、産業界がつながるのか、その結果として新しい価値観を創造できるのか、それを検証していきたいし、プレ企画では私は完全版を出す必要はないと思います。プレ企画は検証の場で、どうあるべき姿に持っていくかということなんです。経済につながる動きが出たり、食や観光と結びつく可能性が出てきます。人が動いて新しい価値観ができることによって、市民が「こんな世界もあるんだ」という反応が生まれ、市民が新しい考えや感覚を持って活性化したり、ビジネスのアイディアになるかもしれない。それが本質のひとつだと思う。それが私が描く札幌ビエンナーレのありかたです。
私は札幌ビエンナーレはひとつのプラットフォームだと考えています。そこになにかがのっかると、いろいろなつながりができる特性があるといい。そのためには支えるスタッフがしっかりしているのが重要だと思う。
最後、私が一番大事だと思うのは市民が応援してくれる土台をどれだけ作れるかということなんです。私は大平さん(実行委員長)、端さん(芸術監督)のつくる壮大なコンセプト、イメージを信じています。ただ、私が事務局長として意見させてもらうなら「市民とどうつながったのか?」ということなんです。市民につながるには打ち上げ花火じゃいけない。続かないといけない。続くことは市民に支持されてるのと同義語です。市民の支持があってはじめて札幌ビエンナーレのコンセプトが生きる。その支持を積み重ねていって札幌が創造都市となることにつながると思うのです。」
Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)