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札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員インタビュー006木野哲也(きの・てつや)

2011.03.18

K1

札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員インタビュー006
実行委員:木野 哲也(きの・てつや)

 札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。今回は企画実行委員の木野哲也に話しを聞いた。

彼は札幌ビエンナーレ・プレの共催企画として札幌パルコ新館にて3月16日より開催されるアート展 「THE BEGINNING −Exhibition of Hybrid Generation」のキュレーターのひとりでもある。

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『僕は結局、札幌、北海道のアートシーンにとって、一番いいことは多くのクリエイターがそれで食べていけることで、それができる街だと思っている。』
Interview
with
 Tetsuya
Kino
 

「僕はプレ企画実行委員をしてます。札幌でいろいろな音楽、アート関係のプロデュースをしていて、代表的な活動としては「マジカルキャンプ」という野外芸術祭の制作もしている。自分と表現の関係を考えてみると、最初はその中心は音楽だった。高校の頃から自分もバンドをやっていて、企画ということばを知らないうちから、音楽を通して人の集まる場をつくる、ということをやってきた。でも、個人的には音楽以外の演劇とかダンスやトークのイベントに行ったりするのも好きで、こぐま座の人形劇を観て感動したり、泣いたりもする(笑)。ここ3~4年くらいは演劇のおもしろさに気がついたり影響されたり。

人間がメシを食ったり寝たりする日常以外で、精を出してなにかを表現する場が好きなんでしょうね。だから、表現ならすべてのジャンルに興味がある。アートについては1999年ぐらいから興味が出てきて、自分のプロデュースする音楽イベントに演出としてライブペントをやってもらったりして、それが空間に良いスパイスとなって更に興味が出てきたし、アーティストの仲間もできていった。その積み重ねとして、今回のパルコの新館で、札幌ビエンナーレ・プレ企画との共催企画ができたのはとても嬉しい。この企画は僕と、ファンの蔦(洋平)さん、(ドゥヴィーニュ)仁央さん、トオンカフェの中村(一典)で作っていった。

札幌パルコとつながりができたのは本当に偶然。フライヤー配りで、あるバーに行ったとき、そのお店のスタッフが常連のお客さんを紹介してくれた。それが札幌パルコの社員の方たちでそこでつながりができた。そこから、パルコの営業のライブイベントをコ-ディネートした。そして、今回パルコの新館の空きスペースをなにかに使ってみないか?という話をいただき、今回のチームからも別ルートでそんな話があって、それなら札幌ビエンナーレ・プレ企画で使うべきだと僕は思った。

なぜかというと、僕は美術館以外の場所でアート展をやることに凄く興味があった。街の中心部にアート展がポップアップで登場して、一定期間やってフッとなくなる感じの企画をやりたかった。それは今回のビエンナーレ・プレ企画のテーマのひとつである、いかに美術ファン以外の人にPRするのかというテーマにも合っている。まさに札幌の中心地にあるパルコでできることは凄く良いきっかけになると思った。

今回のコンセプトとして、会場がファッションビルの中だから入場を無料にして、わかりやすいアートの入口としての内容にしたかった。作家については僕たちが道内で期待できるアーティストを20人集めた。この人選は中村の力が大きいと思う。彼はギャラリーカフェをやっていて、若者からベテランまでアーティストとのつながりを持っている。本展では展示のほかにトークショーを予定していて、現代美術コレクターの宮津大輔さん、札幌市立大学デザイン学部教授の武邑光裕さんをお招きする。本企画は札幌ビエンナーレ・プレ企画との共催になったので、プレ企画の一発目といったらおこがましいけど、近代美術館へ向かう勢いある助走になっていくと、とっても嬉しいな。

僕は結局、札幌、北海道のアートシーンにとって、一番いいことは多くのクリエイターがそれで食べていけることで、それができる街だと思っている。僕はこれからも今世界に目をむけている20代、30代のアーティストをよりスパイシーなやりかたで、メジャーとアンダーグランド、パブリックとインディペンデントをつなげて、もっと実績を積んで説得力のあるプロデュースができればいいなと思う。」 


Text&Photo by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)


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