News / Sapporo Art Scene
アート/と/デザイン相思。
2011.11.01-11.13"APPROACH to ART and DESIGN"
会 場:Room11 artspace
出品作家:伊藤千織 プロダクトデザイナー
藤沢レオ (彫刻家)/村田佳彦 (漆作家)/山本雄基 (画家)/Julia Lohmann (デザイナー)
アートとデザイン。その違いというのは深いテーマ。取材で「僕はアーティストだからデザイナーにはなれない」とか、逆に「私はデザイナーだからアーティストとは違う」といった話を受けることがある。さて、これは分けて考える必要があるのか?自問してみる。理屈として分けて考えることは可能だし、分けて考えないといけない場合もある。反面、いやいや分けずに自由に考えようぜ!というのもまた必要なのだろう。結局のところ、アートとデザインは敵でも味方同士でもない微妙な相互関係かと思う。それによって、お互いの存在意義を説明できるのではないか。
「デザインとアートの接近」というコンセプトの展示がおこなわれた。僕にはとても興味のあるところだ。作品を観で感じたのは、少し緊張感のある居心地の良さ。リビングではなくオフィスという感じか。上記のとおり僕はアートとデザインは決して、仲良し友達ではないと思うし、なってはいけないと思っている。なぜならアートとデザインが仲良くなったら、お互いのアインディティの危機ではないかと感じるのだ。それは両方を弱めてしまう。その点、5人の作家の作品はとてもシャープな形でアートとデザインを「接近」していると感じた。
アートの持つ自由感と、デザインの持つストイック感が良い感じに作品となっていた。少し距離を置いた気持ち良さを僕は感じたのだ。
Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX