DISC REVIEW.
YAMAOKA VS LEFTHAND "PHOTO MUSIK 1" ¥1260/CD-R/
● 北海道よりの6曲のミニアルバムにこめられた
エレクトロニクス・サウンドの妙味、そして意思。
僕は音楽はテクノやアコーステックとか音の成り立ちには、あまりこだわらない。大事なのは音になんらかの意思が感じられるか、感じられないかが大事だと思っている。
北海道を拠点に15年以上のキャリアを重ねるテクノ・ユニットYAMAOKA。国内でのライブPAや、国内外のレーベルにて12インチは30枚、アルバムは17枚。コンピレーションの参加も多数という、その長い活動歴にキチンとむきあった密度の高いクリエイティブを発信している。本サイトにて昨年の市内でのライブの様子を紹介したところである。
YAMAOKAが新しい展開をみせた。自らのプライベート・レーベル、YAMAOKA DISCSを立ち上げたのである。これまで他者レーベルのオファーによって作品提供をしてきたYAMAOKAだが、自らのレーベルによっても作品を発表することは、表現の幅、可能性を広げることになる。なぜなら、リリースの形態もひとつの重要なクリエイティブだからである。レーベル活動の中で必要な構成とタイミング、そこをどうYAMAOKAは考えていくのか。長いキャリアの中での経験から良いアイディアを持っているに違いない。
第1弾となる本作もそんな期待を裏切らない作品となった。本作は自曲と埼玉在住のDJ&クリエイター青木健によるLEFTHANDとのカップリング作品。各ユニット3曲づつの全6曲。トータル22分あるミニ・アルバムとしてのボリュームも感じさせる。ファースト・リリースからカップリング作品というのもYAMAOKA DISCSのリリース形態についてのクリエティブが感じられて、聴く前から期待が高まる。そして、期待どおりの音がここにはあった。
最初の3曲がYAMAOKAで後半3曲がLEFTHAND。その楽曲はさながらレコードのA面とB面という表情をみせてアルバムの内容を豊かにしている。YAMAOKAのトラックはベテランの余裕を感じさせる、まさに(観念的な意味で)ロック的なサウンドでダンサンブルなビートを刻む訳ではないが、テクノ&アンビエントの持つ鋭いサウンドをブレなく確信を持って聴かせる。後半のLEFTHANDのトラックはストイックなエレクトロニカサウンドで、YAMAOKAの内省的な鋭さとはまた違ったナチュラルな音像がサウンドトラックのような印象を受けた。ミニマムなサウンドがしっくり気持ちがいい。
6曲というトラックの中にエレクトロニクス・サウンドの妙味が詰められた本作をぜひ楽しんでいただきたい。異なる2つの意思が感じられるかと思う。テクノというより「音楽」として、楽しめる作品だと思う。
取扱店(以下URL。視聴可)
・TECHNIQUE(tokyo )
http://www.technique.co.jp/item/93018,YD1201.html
・U-COVER (belgium) http://www.u-cover.com/mailorder/description.php?II=5136&UID=20120402144516125.55.15.171¤cy=eur
・S.O.L SOUND(yamanashi) http://sol.shop-pro.jp/?pid=41163328