NEWS: Sapporo Art & Culture
「親子で“知る・関わる・体験する”北24条商店街 「SKT24」~職業体験&集いの会~」
日時:2014年3月22日(土)13:00より16:30(開場:12:45)
会場:札幌サンプラザ 及び北24条商店街の協力店舗5店
「経験」はセンスを養う。
北24条地域活性化プロジェクトより。
「経験」は大事だと思う。今のインターネット社会。自宅のパソコンどころか、手の中のスマートフォンであらゆるコトが「体験」をしないまま「情報」というカタチで得ることができる。それは素晴らしいことなんだけど、自分の生き方を考えるうえでは、ネットの情報だけですべて理解したつもりになるのは危険だと思う。「情報」だけではなく「体験」するのも必要だ。
なぜなら「体験」には「情報」化できない部分がある。大部分の人間は情報化できる理論だけで人生を過ごせるほど強くない。世の中には「体験」に基づく勘(センス)によって開かれる場合があるのだ。「体験」は人間としての幅を広める貴重な機会だと僕は思う。ただ、商業的なサービスとしての「体験」は「情報化」されたものなのでメリットは少ないのではないか。そこには演出が入り込む可能性もある。大事な「体験」はもっと素朴で実験的なものにあると思う。その実験的な試みが今回紹介するプロジェクトである。
上の写真をみて欲しい。ベテラン店長ふうの両側にいる2人の子供。「お子さん?いや孫?」いや、どちらも違う。正解は職業体験中の小学生。この写真は大学生主体の児童体験学習の企画の一場面である。本事業は、札幌市主催の「商店街学生アイデアコンテスト」の入賞アイデアをもとに、東海大学の有志メンバーと北24条商店街が協力して事業化した北24条商店街活性化プロジェクトのひとつ。北24条近辺にある白楊小学校の児童を対象に、地元老舗の異なる職種の5店舗に協力を得て、実際に店舗内での接客や商品の陳列など、普段の仕事の様子の見学や体験等をおこなった。また、同時に職業体験参加の母親を対象とした集いもホテルで開催。北24条地区の子供の学びの場の活用について自由に意見交換をがおこなわれた。
僕が取材した場所では青果店にて参加児童が商品のダンボールづめの作業を手伝っていた。仕事としては大変シンプルなものだしドラマチックな光景にもみえない。しかし、この仕事のシンプルな日常性を「体験」で感じ取ることが一番大事かと思う。外から見た仕事というのは、一見きらびやかだったり、複雑に見えても「体験」してみれば地味な積みかさねだと気がつく。その「気づき」が「情報」だけでは得られない貴重な「体験」になるのではないだろうか。
Text & Photo by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)