▲ Anokos x Yasushi Shoji
デジタルなサウンドのビジュアルな中に重なる「舞踏」という身体性。
NEWS: Sapporo Art & Culture No.15
テキスト “Vertical Horizontal #01″:2014.04.26 :CAI02
札幌で新たに生まれた音と映像のイベントについてのテキスト。
先月、本サイトでもお知らせした、札幌で新たに生まれた音と映像のライブイベント「Vertical Horizontal #01」が開催された。そのコトについて書いてみようと思う。日程は週末の18時スタート。22時に終わりという、コンパクトで行きやすいものであった。料金もワンドリンク付で1500円。学生なら500円というのはかなりお安い。内容は6組の道内外のアーティストのライブパフォーマンスというの充実したもの。
学生料金の設定の効果もあってか、お客さんは20歳前後の若い人を多くみかけた。それはとってもいいことだと思うし、僕のような良い歳の大人ももいた。両方いるのがとってもいいこと。
会場は大通にあるギャラリーカフェ。カフェは長めのカウンター席のみ。そして、2つの独立したギャラリー空間があり、大きめのほうが会場。もうひとつは出演者の楽屋として使用されていた。
パフォーマンスの合間のインターバルではカフェにて会話を楽しむ。イベントの非日常感は、インターネットのアクセスとは異なる味わいがある。雰囲気のも刺激を受ける。
音と映像。電子音楽やVJというのは、なんか難しいイメージがある。でも、あんまりそういうカテゴライズに考え込むことなく視覚と聴覚を刺激するイベントを「体験」するのがいいと思う。「体験」とは「学び」であり体験が増えるとよりおもしろくなる。どうするかは自分次第。
▲ Shunsuke Minami
「映写機」等アナログな機器を駆使しノイジーな世界が作られる。
イベントの持っている「ライブ感」について、先日の記事の中で主催者である加藤智諭はそれを「フィジカル」という言葉で語っていたけど、僕はそれを実際に出せるか、というのがイベントの肝だと思った。イベントというのはとっても難しくて、とりあえずやればライブ感が出る、という訳でもないのだ。さて、 ”Vertical Horizontal#01″にはライブ感はあったのか?
僕は「あった」と思う。だからワクワクした。特に歓声が上がったとか、オールスタンディングで盛り上がったという場面があった訳ではない。たしかなのは、出演したアーティストは「ライブでやる意味」ということをしっかり考えてパフォーマンスをしていることが伝わってきたし、観客は実に真面目な態度でパフォーマンスを熱心に観ていた。まるで、質の高い大学の講義を見るように。そのあたり少し固すぎる感じもしたけど、それはそれでとっても素敵な事だと思う。
▲ Junichi Oguro
ストーリー性のあるアンビエントなサウンドに魅了された。
第一回目の「講義」は成功したということだろうか。僕はこのちよっとカレッジな雰囲気を保ちつつ、もっとカジュアルに自然な感じのコミニュケーションが生まれる場になってくれることを”Vertical Horizontal”に期待したい。本イベントは今後も年に2〜3回程度定期的に開催する予定だとのこと。テーマも毎回変化するらしい。次回も楽しみにしよう。
Text & Photo by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)