「ハコマート2014」
生活を豊かにする「箱」
続けることの素晴らしい「箱」たち。
■ 「箱」(ハコのこと)
「箱」というのは日常にあふれている。でも、デザイン性のある自分の欲しい「箱」を入手する機会というのは、少ないと思いませんか。
その理由は世の中にある大部分の「箱」というのは、その中にあるもの…商品が主体であり、それなくして成立しないものからだと思う。例外として「箱」だけで入手できるものは少なく、それも純粋な実用品だったり、なにかを作るための「素材」としてものが大部分ではないかな。
でも、私たちの日常の中で、「なにかを入れる=箱が欲しい」という場面は少なくない。人間は気分で生きている。自分の好きな「箱」が欲しくないだろうか?そんな、夢をかなえてくれる展示イベントがある。
■ HAKOMART
HAKOMART(ハコマ)とは、梱包、雑貨、食品、ギフト等の紙箱を制作する札幌にて昭和7年創業のメーカー、モリタ株式会社の主催している展示販売会。2012年にスタート。その内容は、グラフィック・デザイナー、イラストレーター、美術作家等のクリエイターがテーマに沿ってデザインしたオリジナルの「箱」制作。それを、市内のカフェに併設されているギャラリーで展示・販売し。期間中、誰でも自由に手に取って見たり、気に入ればその場で購入することができる。何度かこのNUMERO DEUXで紹介したり、発行しているフリーペーパーMAGNETで特集したこともある。
箱のデザインは、クリエイターによってざまざまだけど、大きさというと小物等を入れるプライベートな使用のイメージである。クリエイターのオリジナル作品の販売イベントというのは全国に沢山あると思うけど、作品があくまで「箱」というのが全国的にとても珍しいデザイン展示販売会だと思う。主催が箱をつくるメーカーならではの内容だと思う。
会場は初回からずっと同じ場所の菊水にあるカフェ、Plantationの3階にあるギャラリースペース、グルニエである。本スペースはさまざまな、アートやカルチャー関係のイベントがおこなわれる場所であり、カフェでお茶を楽しみながら、楽しめる空間となっている。
■ 「植物(Plants)
今回、3回目のハコマのテーマは「植物(Plants)」。10名のクリエイターが出品。毎回、クリエイターのアイディアによるデザイン驚かされ、感心する。そして、この企画が3回目を迎えたことをお祝いしたいと思う。こういったクリエイティヴを中心とした、企画を続けることは会社として難しいことではないかな、と僕は思う。ただ「続ける」という行為の中で、生まれるものが必ずあって、僕は「続ける」ことの素晴らしさが、今回のテーマである「植物(Plants)」の作品のクオリティを、よりあげることに反映されている感じがするのだ。1回目、2回目があるから、今回の作品が生まれたのではないかと思っている。僕はより幅広いクリエイターの参加と、継続していくHAKOMARTを見守りたいと思う。
Text & Photo by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)
HAKOMART2014 テーマ/植物(Plants)
期間:8月30日(土)―9月7日(日)
会場:Plantation 3F グルニエ(札幌市白石区菊水8条2丁目1-32)
参加クリエイター:足立詩織(シオリグラフィック)・小板橋基希(アカオニデザイン)・安達麻衣(DEXTURE)・EXTRACT・峠田充謙(設計峠)・drop around・野村ソウ(STUDIO WONDER)・松本幸二(Grand Deluxe)・mangekyo・森川瞬(寺島デザイン制作室)
主催:モリタ株式会社
HAKOMART Information
http://www.facebook.com/hakoma.jp