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NEWS ’15No.05– 15.2.16-03.28「安西水丸1974-2015」

2015.03.13

安西水丸

安西水丸のカッコ良さ。
ユーモアと、その背後に隠されたもの。

僕は、自分のクリエイティヴにユーモアや可愛らしさ、どこが力の抜けているイメージをつくるのが苦手です。昔はそのことは気にならなかったのだけど、だんだん気にはなっている。現在は、それは「憧れ」の気持にもなっている。今から目標にしても達成できるかどうか。優れたクリエイティヴには、ユーモアや、一見したところ、どこか抜けている感じがするものがある。それを一番に思い起こすのが安西水丸の作品なのです。

安西水丸は、イラストレーターであり、漫画や絵本、小説も手がけている。村上春樹との仕事が多い、書くとわかる人は多いかと思う。その経歴は、もともとは広告代理店である電通のAD(アートディレクター)であったが、後にイラストレーターとなる。80年代からフリーとして活躍。昨年、72歳で亡くなった。

今回、市内中心部にあるギャラリー「Kita:Kara Gallery」(キタカラギャラリー)にて「安西水丸1974-2015」展示が開催された。この場所は北海道のアートや文化を発信する「Kita:Kara 」が運営。2014年にオープン。企画展を中心としている。ちなみに本ギャラリーのあるビルには、北海道文化財団の展示スペースや、大通美術館があり、街中のアートスポットとして魅力のある場所となっている。

本展では、原点ともいえる「青の時代」。20年ぶりに復刊された村上春樹氏との共著「夜のくもざる」 「日出ずる国の工場」の表紙や挿絵。「ガロ」に掲載された漫画。初期作品「Toy Series」からの新作版画など、初期〜現在に至るまでの版画作品と原画および、Tシャツやマグカップ、バッグなどのグッズも販売。コンパクトながら、安西水丸の「歴史」が凝縮されている企画で見ごたえがあり、優れたクリエイターの思考と進化が興味深く感じ取れる。

安西水丸の作品にあるユーモア、可愛らしさ、抜けた感覚。それは裏と隠された厚みがあると僕は思う。それは、感覚と同時に考え抜かれたクリエイティヴがではないか。だから、作品はユーモアと可愛らしさとクールさが同居している。つまりかっこいい。ぜひ、足を運んで感じて欲しい企画である。

Text&photo  by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)

「安西水丸1974-2015」
会場:キタカラ・ギャラリー(大通西5 大五ビルヂング3階)
2015年2月16日(木)~3月28日(土)  10:00 〜 19:00 日・祝休み


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