札幌のアートやデザインのニュース
NUMERO DEUX NEWS No.15012–
「松浦進 -conscienta-」
人間の顔、いくつかの顔。
松浦進の作品を観て考えたこと。
「人の二面性」というけど、実はもっと人の心の中は多様で、まるで断面がすべて違うバームクーヘンにような複雑怪奇な構造を持っていると思う。同じようで、違うのである。僕も基本自分はひとつだと思っている(思いたい)。でも、いろいろ無理なのだ。考えれば考えるほど。「表の顔、裏の顔」ともいうけど、どれが表か裏というのは区別できるのだろうか?自分ならできるのか。表の顔といっても、それは「社会のニーズ」によって作られるのではないか、そうなるとそれは本当の自分なのか?裏の顔は本当の顔なのか。
松浦進は1989年生まれ、北海道旭川市出身。版画家。人間の内面をシニカルに捉えながら、それを西洋の肖像画のスタイルを咀嚼して表現することで作品に奇妙なエレガントさを与えている。アイロニーの中に独特のユーモアのセンスを感じさせ、シルクスクリーンらしいポップさを持った作品を制作している。ーートオンカフェ ウェブサイトより。
僕は松浦進の作品をみていると、僕は気分がとても落ち着く。以下は僕の勝手な解釈だけど、松浦進の作品には、人間が描かれていて、それは多様ではあるけど、そこに前向きな表現があると感じる。人は二面性どころか、内面はもっと多面的かもしれない。でも、それはそれでいい、そんな「許容」が僕に感じられるし、生きていくうえで「許容」するということは、とっても大事だと思う。自分と他者にある二面性(又は多様性)について許容する。そんな生き方ができればいいなと思う。そのほうが、ずっと人生が楽になるような気がするのだ。
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
個展「松浦進 -conscienta-」
期間 2015.5.5(火) ー 5.17(日) 10:30〜22:00(日曜日は20時まで)
会場 TO_OV cafe(ト・オン・カフェ)(南9西3)
http://toov.cafe.coocan.jp