WEB MDEIA NUMERO DEUX NEWS No.15015
札幌をデザインする、札幌のデザイン
このまちに住んで、デザインするか、デザインされるか。
札幌という街で、僕は生まれて「育って」いる」。ええと、一応今でも僕は「育って」いるのだろうか。肉体的な成長はもうしてない気がする。でもアタマの中身なんとか育っているのか。良くも悪くも、思考は固まっていない。これで「育って」いると考えることにします。
それでは、本論に。札幌という「まち」はまだ「育って」いるのか?それにはスパッと答えられると思う。育ち続けていると思う。それを変化や成長という言葉に言い換えられることもできるし、そのほうが一般的だと思うけど、僕は「育つ」がいいと思う。なぜなら「育つ」には、育てられるコトが必要だと思う。そして、この地に住む人でみんなで「育てる」必要であるから。まち の成長は他人事にしてはいけない。
まちをみんなで育てられればいいなと思う。まちを育てる、というのは不遜な言い方かと感じるかもしれない。でも、まちを育てるなんて、さしでがましいと思うところが実は問題であって、まちのことは高尚なことでも他人事でもない。専門家だけにまかされることでもない。専門家は必要なのだけど、彼らだけでまちが作られる訳ではない。まちはみんなで作られる。
難しく考える必要もない。自分の日々のなにげない、行動の時自分の住むまちのことについて考えてみるのだ。自分の行動の理由の中に「札幌」というまちを「育てる」というのを意識してみる。そうすると、ゴミの出し方ひとつも変わってくるのではないだろうか。それもまちのデザインなのだ。みんなで札幌というまちをデザインしよう。
本展示では、札幌のデザインをテーマに、札幌にゆかりのあるデザイナー、建築家19組が作品をつくり展示している。彼らは普段の仕事でつくる時、札幌を意識することを多いかと思う。しかし、札幌そのものをデザインとして考えることは、あまりないのではないのだろうか。そこが今回の企画の大きなチャレンジになっていると思うし、観る側としても楽しみな部分になっている。
まちの未来のビジョンをデザインで考える。この展示には札幌という都市を「育てる」ための大きなヒントが隠されていると思う。札幌って、どんな街なんだろう?どうしていけばいいだろう?と考えながら本展のデザインを眺めていくのは、とても大事なことだと思、展示を観たごくごく普通の人々が、札幌というまちのデザインを考える、想うこと。そして、ちいさなちいさな行動を重ねること。それらが、これからの札幌を育てていく力になる思うのだ。
「500m美術館vol.15 Sapporo Section2 : Design『札幌のデザイン』」
会期 :2015年6月6日(土)〜9月18日(金)
時間 :7:30~22:00(最終日は17:00まで)
会場 :札幌大通地下ギャラリー500m美術館(地下鉄大通駅内)
主催 : 札幌市
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)