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NEWS No.15019 「SAPPORO ART MAP 3」

2015.11.01

sapporoartmap
WEB MDEIA NUMERO DEUX  NEWS No.15019
札幌のアートやカルチャーに関するニュース

アートを観るのは「観る人の気持」もいるよね。
それを引き出すのが、「アートに出会える場所」

これだけ、テクノロジーが発達していくと、それでは補えない部分、その多くは「気持」の持ち方、というのがより大事になっていくと思う。気持ちをむけることを考えたい。

アート作品を観たければ、今の時代もっとも手頃なのがインターネット。スマートフォンでブラウジングすればすぐ観られる。しかし、その行為はアート作品の「現物」を観ている訳ではない(ネット上の発表を想定する作品を除けばね)。間接的に観ていることになる。アートの現物を観ることができるのは、美術館やギャラリー等と呼ばれる場所である。

アート作品の「現物」をギャラリーに観に行く、というのは今の時代(または、これからの未来)どういう意味があるのだろうか?わざわざギャラリーに行かなくても手元のスマホで観られれば、それでいいのではないか?これは画面上でいいか、現物でいいかはもう主観的な問題なので、万人を納得させる結論は僕は出せない。でも、ここから主観で書いていけば、僕はリアルに存在するギャラリーや美術館は今後も必要だと思う。

なぜなら、アート作品の展示は作品の存在だけでは成立しない。「作品を観る人」が必要である。実はそれだけでも足りなくて観る人の「作品を観る気持」が存在しなければならない。作品と観る人の静かなコミニュケーションが必要なのだ。この気持(アート作品とのコミニュケーションする気持)を引き出すのが美術館やギャラリーの「役割」だと思うのだ。

気持ちがなければ鑑賞にならない。寝転んで、スマホのちいさな画面で作品を観ても、それがアートに出会う鑑賞にならない場合が多いと思うのだ。少なくても、僕はそうだ。ネットでアート作品を観ることは、情報を調べるにはとても役立つ。でも、それはアートを鑑賞するとは別の行為だと僕を感じている。

メンタリティの話になってしまったが、実はこれが現代美術のコセンプチュアルアートに通じる「アートとの対面」の問題だと思うのだ。アートはそれを観る人の気持ちのよって、完成すると僕は考えている。

札幌大通地下ギャラリー 500m美術館は、札幌市営地下鉄の大通駅、その構内にある隣駅のバスセンター駅前をつなぐ通路。その通路の壁面を利用した市が運営するギャラリー。2006年から展示がはじまった。駅施設内にあるギャラリーとしては国内最長。地下通路が多くかつ、冬が長いため地下通路の利用が多くなる札幌にはひとつの「地下文化」ともいえるユニークな美術施設である。

現在、開催中の「SAPPORO ART MAP 3」はシリーズで3回目。その内容は「札幌のアートと出会える場所」として市内のギャラリーを紹介する「展示」となっている。いわば「ギャラリーで紹介するギャラリー」という企画はユニークであり、とても本テキストの最初に書いたギャラリーの必要性についても考えさせる興味深いテーマを内包している。

市内でアート展示がみられる場所というのは増えている。その種類は大きく分けると2つになると思う。いわゆる純粋にアートを展示する場所としてあるもの、つまり専門的美術施設として存在するのと、カフェ等のお店にアートの展示スペースが併設されるタイプである。

前者は、純粋に美術を鑑賞に集中する場所として基本的なあり方であり、独立した展示室に作家の展示のみによって構成される。今後もあり続ける存在だと思う。僕も「ギャラリー」としてまず思い浮かぶのがこの形態。利点は作家が純粋に作品を集中して観てもらいたい場合には一番いいかなと思う。欠点はこうした場所を借りるのはコストがかかるということと、多くの人に観てもらいたいと考えるとき専門的な施設がゆえに、または立地的に難しい場合が考えられる。

後者は、ギャラリーという看板を掲げている訳ではないが、アート展示のスペースのあるところである。カフェの壁面がギャラリーになっている場所がひとつの例として円山方面にあるカフェエスキスがそうだと思う。このお店カフェでありメインは飲食を楽しむお店であるが、壁面がギャラリーとなっていて展示も鑑賞することができる。この後者形態は、前者にくらべてとても多様である。ほんとうにちいさなスペースしかないところもあるし、逆に独立したギャラリースペースを持っている場合もある。この形態は、前者に比べると借りるのが低コストの場合が多く、多くの人の目に触れる可能性がある。欠点としては、ギャラリーとしての専用空間ではないので、作家としても観る側にとっても制限が感じられることだと思う。ただ、作家にとってはその制限を逆手にとって、作品づくりをするというのも考えられると思う。

ギャラリーとは「アートに出会える場所」である。その役割はアートと人をつなぐ「気持」を作り出すのを手助けする空間だと思うのだ。そういった場所にでかける、という行為そのものがもはやアートに対するコミニュケーションがはじまると僕は考えていきたい。ギャラリーという場所も、アートと人がコミニュケーションするための媒としてのメディアであると考えている。人は作品とだけで、アートと対峙する訳ではないのだ。

Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「SAPPORO ART MAP 3」
会期 :2015年9月26日(土)~2016年1月22日(金)
時間 : 7:30~22:00(最終日のみ17:00まで)
会場 :札幌大通地下ギャラリー500m美術館(地下鉄大通駅内)
主催 :札幌市

 


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