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NEWS No.15023 「高橋弘子第5回個展 『sequence dragon』」

2015.11.17

高橋弘子
WEB MDEIA NUMERO DEUX  NEWS No.15023
札幌のアートやカルチャーに関するニュース

存在するもの、
存在しないもの。分けない思想

僕は札幌の街を歩きながら、よく空想をする。それが現実からの空想だったり、まったくの空想の場合もある。僕だけではないと思う。人は現実に存在しないものも考えだすよね。それがモノなどの無機物はもちろん、生物といった有機物でさえ、空想で作り出してしまう。それを表現に昇華できる人がアーティストになると思う。アートとして、僕が考えるのは、空想から生まれる表現は「空想」と「現実」の微妙なブレというか、ゆらぎがあればいいなと思う。僕は表現の中で空想を空想だけで完結してしまうのは、意外につまらないと感じる。空想なのか現実なのか、といった「ゆれ」が欲しいのだ。ただ、それは本当にあるかもしれない、というリアリティということではなくて、空想の表現の中に、さらに空想の中の空想が欲しいのだ。それが僕が考える「ゆれ」になる。そこに空想のリアルが生まれると思う。

高橋弘子は札幌在住のアーティスト。アクリル画、ペン画による平面作品を制作している。今回の展示では「ドラゴン」をテーマにした作品が展示している。トリミングされたドラゴンの作品を観ていると、存在、不存在ということが、空想の世界とうまくミックスしていて実に気持ちがいい。作品の中に僕の好きな「ゆれ」がある。それは、空想をただ空想として描くのではなくて、空想の中に「現実感」があるのだ。それがとてもいい。信じたくなる気持ちが生まれる。

会場のギャラリーたぴおは、現代美術を中心としたギャラリー。その場所は時計台も近い札幌中心部。中通にあるのではじめてだとわかりにくく感じるけど、郵便局が入っているビルにあるので住所さえ把握しておけばわかりやすいと思う。ギャラリーの13.5坪(44.55平米)という空間は、シンプルに展示するのは実にちょうどいい広さだと思う。大通と札幌駅の間という場所はちょいと意識すればいきやすいところである。19時まで開いているのも平日にも助かる時間帯。シンプルで、立地と空間のバランスの良いギャラリーだと思う。

Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「高橋弘子第5回個展 『sequence dragon』」
会期:2015/11/09〜11/14・11:00~19:00
会場:ギャラリーたぴお(北2西2)


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