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NEWS No.16009 佐藤一明個展「彫刻表現の新しい可能性を探らない」

2016.02.03

佐藤一明個展「彫刻表現の新しい可能性を探らない」

NUMERO DEUX NEWS 16009
札幌のアートなニュース。

美術は生活の中で、
どのように存在すべきか。好きの仕組み。

美術作品と何なのか、と考える。それは頭がグルグルするほどとっても難しい。美術評論というのもある訳だから、いくらでも難しく、細かく考えることもできる。疲れてなければ、それはそれで好きだ。個人として良い、悪いという判断だけですませることもできる。僕の個人の考え方では、まず自分にとって好きか、嫌いかを判断する。まず、嫌いなものは自分の頭の中から捨て去ってしまう。それだけ。好きなものは、好きな理由を考えてみる。好きになった基準はいろいろあるけど「この作品にまた観たい」(会いたい)というのが一番な好きになった理由になると思う。おいしい食べ物はまた食べたい。それと同じ。良い美術作品をまた観たい。今回、「好きになる」ということについて考えてしまった、魅力ある作品展示を観た。

佐藤一明は彫刻家。1970年。北海道岩見沢市生まれ。北海道教育大学札幌校卒業・北海道教育大学大学院修了・筑波大学大学院修了。20年以上おもにミニチュアのストーブのオブジェを制作している。

今回の展示では、ミニチュアのストーブのオブジェのほか、そのドローイング作品や、犬をテーマにした作品も展示されていた。今回の展示タイトル「彫刻表現の新しい可能性を探らない」はとてもユニークで、かつ深く考えさせるものだと思う。「表現の新しい可能性」というある意味、よく自分でも書いてしまいそうなフレーズだけど、それって何なのだろうね?と自分の中で考えてみる。頭がグルグルする。

僕は本展示はまた観に行くつもりだ。本展示はスタイリッシュであり、同時に生活感もある素晴らしい内容だと思う。僕は仕事帰りに立ち寄ったのだけどギャラリーに入り、奥からあるストーブのオブジェが目に入った瞬間から、いいなと思った。ストーブの存在感はとても美しいけど、そこにはどこか親しみやすさがある。ホッとする。それは「ストーブ」という体を暖めてくれるもの、という実用性のあるイメージが、魅力になっているかもしれないし、オリジナリティのあるフォルムが観る者を空想と現実を行き来する、おもしろい世界に誘い込むかもしれない。

会場であるギャラリーレタラは地下鉄円山公園駅をおりて5分程度のところにあるビルの3階にある。このビルは作家性の高い雑貨のお店や、カフェ、フレンチレストランもある魅力的なビル。楽しみに足を運んでほしい。

Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

佐藤一明個展「彫刻表現の新しい可能性を探らない」
日時:2016/01/23(土) ~ 2016/02/14(日) / 12:00~18:00/ 火曜定休
場所: Gallery Retara (北1西28)

 


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