NUMERO DEUX NEWS 16020札幌のアートなニュース。
アートを学ぶのは、自分を豊かにしてくれる。
日々過ごしていると感じること。それはアートとは特別なもの、という考え方が一般的にあること。それは才能だったり、インスピレーションが重要な特殊な世界で、極端に言えば世の中を「アート」と「アート以外」という分類をする考えがあるのではないか。僕は、そういう分け方はよくないと考えている。才能やインスピレーションが大切なのは、アート以外のビジネスや勉強や家事でも同じことで、アートに限ったことだじゃない。
僕はアートの特殊性というのは幻想があると思う。「アート」と「アート以外」のことって、そんなに差があることなのだろうか?それは単なるジャンル(呼び名?)の少し異なることであって、アートもビジネスも家事も教育も、そんなに変わらないことだと僕は思う。アートが他の分野とかけ離れたことなら、そもそもアートというのものが成立しないのではないか。アートは現実とつながるからおもしろいし、つながらなければ存在する意味は薄い。
同時に同じ理由で「アートを学ぶ」ということも特別なことではないと思う。そして、アートを学ぶというのは実おもしろいことだと僕は思う。僕も本を読んでアートを学ぶこともある。特に好きなのは美術史だ。なぜかというとアートは時代の文化・政治・技術とリンクしている。つまり、時代の反映がアートにあると思う。そこが僕にはとても興味深くおもしろい。「アートを学ぶ」というと、なにか特別な興味が必要だと考えたり、または単なる教養として暗記をするというイメージがあるかもしれない。でも、そんなことはないと思う。学ぶことに特別な才能はいらないし、アートは暗記科目でもない。ごくごく普通の習い事をする感覚でアートを学ぶのがいいと思う。
それにね、アートを学ぶというのは日常の生活や仕事に役立つ、と僕は考えている。アートとは、コミニュケーションであり、表現。そして、発想の方法でもある。これらは僕たちの日常で一番必要とされていることではないだろうか?
CAIアートスクールは、札幌の大通中心部にあるアートスクール。今年21周年を迎える数少ない現代美術の学校。講義内容は技術や理論だけではなく、第一線で活躍しているアーティスト、デザイナー、各専門分野の研究者らの「生の声」が聞ける40人ほどの講師のから学べる。加えてアート業界の仕組みや展覧会制作のプロセスも学べる。入学は興味があれば誰でも受講することができる。現在までの受講生は学生から社会人まで幅広い。期間は4月からの1年。毎週木曜日の19時〜21時。夜間なので日中仕事等のある人にもいきやすい。
先日、その卒業生による卒業制作展が開催された。そこで僕が感じたのは「アートの機能」ということ。アートはただ孤高に存在するものではない。社会とつながっていくことだということ。そんな感想を各作品を観て僕は感じた。その感じたことは受講生が学んだことのひとつではないだろうか。アーティストを目指さなくてもアートを学ぶことは、自分を豊かにしてくれると思うの。そのために週1回の夜の2時間ほどCAIアートスクールで学ぶ、というのはひとつの人生の選択だと思う。学ぶのは楽しい。
Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
CAIアートスクール 20期生卒業制作展「last 10Days」
会期 2016.3.19(土)- 3.31(木) 13:00〜23:00/日祝は休館
会場 CAI02 札幌市中央区大通西5 昭和ビルB2
オープニングパーティー 3月19日(土)19:00〜