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NEWS No.16028「500m美術館vol.18 Sapporo Section 3:Photo『記憶と記録の札幌』」

2016.06.05

500m記憶と記録の札幌」

NUMERO DEUX NEWS 16027札幌のアートなニュース。

まちは(札幌)は「編集」されなければならない。

僕の旧札幌駅の記憶。札幌ステーションデパート。テアトル・ポーという映画館。ノスタルジーだけではなく編集的視点で考えると、そこには地元感あふれるたくさんのお店と、中学生のお小遣いでも気軽に観られた名画座映画館があった。それは、今あってもいいと思うのだ。札幌駅に東京発のお店が目立つのは残念な気がする。過去から学ぶことは確実にある。

札幌。自分の生まれた土地について、自分はよく知っているのか。知らないのか。最近、自分で思うのは、「知っているのか、知らないのかわからない」ということである。そこから、自分は少しづつ抜けだそうとは考えている。時々、札幌のおすすめスポットを聞かれると、市販の観光ガイドとおなじような答えしかできない自分がいる。王道スポットはある訳だから、間違いはないのだけど、はたしてそれは僕自身が良いと思っているのか、良いと言われているから、そう答えるのか、実に曖昧でわからない。つまり、そこに生まれて、住んでいるだけなら、必ずしもその土地について、他人にガイドが本当にできるかわからないのだ。

今、思うこと。住んでいるだけでは、その土地の魅力を継承できない。魅力を自分なり考えて「編集」していかなければならないのだ。編集とは、簡単にいえば「何を残して、何を削るか」ということ。その結果を自分なりに残していくこと。それが、どんな媒体であれ「メディア」となる。

本展示は、7組の写真家による「札幌という都市がもつ記憶性と記録性」を伝える内容となっている。その捉え方は、それぞれ独自のものであり、そしてリアルな札幌を感じさせるものだ。こうした感覚を記録として残すこともとても大事だと思う。都市は観光的な要素だけでできている訳ではない。この地に住む皮膚感覚のようなものも、継承されるべきだと思う。都市の肌触りを記録していこう。この展示には、そんな想いを喚起させる力がある。

今の僕達は、デジタルカメラ、パーソナルコンピュター、スマートファンという「メディア」をつくる強力な道具を持っている。もちろん紙だっていい。この地で感じたことを記録化して、後に残そうではないか。意味があとから必ず生まれてくる。

Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「500m美術館vol.18 Sapporo Section 3:Photo「記憶と記録の札幌」
会期 : 2016年4月2日(土)~2016年6月29日(水)
会場:札幌大通地下ギャラリー 500m美術館
出展作家:本城直季,インガ・トリネケンズ,山本顕史,北川陽稔,竹本英樹,メタ佐藤,佐藤雅英,特定非営利活動法人北海道を発信する写真家ネットワーク


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