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NEWS No.16029「大黒淳一 音の彫刻展 “Golden Noise”」

2016.06.10

大黒淳一 音の彫刻展 “Golden Noise”

NUMERO DEUX NEWS 16029札幌のアートなニュース。

「音」は見ることができる。

「音」は実に魅力的なアート表現だと思う。メディアでもある。ただ、その可能性について僕たちは忘れがちだったり、狭く考えることはないだろうか。つまり、音とは「目に見えない」ものであり、音の表現とはメロディーやリズムのある「音楽」に限られる、という認識。本当にそうだろうか?それでいいのだろうか。実は私たちは多数の魅力的な音に囲まれた生活をしている。自然の音、人工的な音、声。音はメディアであり、その可能性はできるだけ広く考えることを、受け手としても意識することは大事だと思う。音についてオープンに考えよう。

大黒淳一は1974年・札幌生まれ。札幌を拠点に「音」をテーマに多彩な表現活動をおこうサウンドアーティスト。幼いころから作曲をはじめ、全国グランプリの受賞歴もある。2006年にベルリンへ渡りヨーロッパ各地で海外CM等の商業音楽から音響空間設計まで幅広い作曲活動をおこなう。同時に現代美術としてのサウンドアート作品の発表を行っている。また、先端的な音をアウトプットする目的で設立したアンビエントレーベル”43d”を主宰もしている。

ノイズは見える表現になる。大黒淳一は音の元となる物質の振動やその周波数をコントロールすることで生まれるノイズを空間内でインスタレーションすることを考えた。それをアート・ギャラリーで実施することによって、音を可視化し聴く彫刻音を見るという体験を「音の彫刻展」として、2011年にモエレ沼公園でおこなう。今回、その続編として「音の彫刻展 “Golden Noise”」を開催した。人工衛星でも使われる特殊な金属をノイズ音へと展開させ、動的で近未来の音楽表現を感じさせる音の彫刻を創り上げている。

会場に入るとSF映画のワンシーンのような印象をうける。マイクの向けられた浮いたようにみえる黄金の金属板。聴こえるノイズ。音の可能性を感じる貴重な体験のために足を運んでほしい。音は見えるのだ。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

大黒淳一 音の彫刻展 “Golden Noise”
会期 : 2016年5月7日(土)- 6月18日(土)
休館日:日祝、6月11日
会場: CAI02(中央区大通西5 昭和ビルB2)13:00-23:00

 


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