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SAPPORO GUIDE+ No.009 「札幌市資料館という迷宮」

2016.06.12

札幌市資料館
SAPPORO GUIDE+  No.009
札幌を<初めて楽しく>アートに歩くガイド。

 No.008「札幌市資料館という迷宮」
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さて、札幌のまちに、はじめて旅行等で訪れて、文化的に楽しく歩くガイドの9回目。前回は札幌の郊外にある大きなアートスポットを紹介してみましたSAPPORO GUIDE+ No.008 「モエレ沼公園にて何をする?」今回は中心部にあるちいさな、でもビリリと鋭いアートスポットの紹介しましょう。その名は札幌市資料館です。これはもともとは、今でいう高等裁判所の建物であり、現在では建物の外見や内装は元の雰囲気を活かしつつギャラリー等のあるアートスポットになっています。
では、くわしく説明していきましょう。

場所は市内中心部にある大通公園の西端、というわかりやすい場所。ダイレクトに行くなら、地下鉄「西11丁目」の一番出口より西に歩いて5分ほどです。時間があれば、大通公園の東端にあるテレビ塔から、ここまで歩いて大通公園制覇!というのもありかと思います。すたすた歩けば30分くらいかなぁ。

さて、札幌市資料館のそのあふれ出る魅力ベスト4を僕の独断で説明していきましょう。順位はあるけど僅差のベストフォーであります。つまり全部いいということです。

まず、4位 は建物として魅力。本建物は大正15年(1926)に札幌控訴院(今の高等裁判所)として建てられた建物。札幌軟石使用。平成9年(1997)に国の登録有形文化財に選定。現在はアート施設になっていますが、外観や内部は当時の雰囲気を残しており、ここを使って撮影をしたい、という人も多いです。裏庭にはベンチがあり、お昼休み等に休んでいる方多くみかけます。ひっそりとして良い雰囲気です。ちなみに、本施設最寄りの地下鉄西11丁目駅降りてすぐに高等裁判所があります。

3位は、貸しギャラリーであること。建物内に6つの展示室があり、多くの地元のアーティストの方が利用しています。先に説明したとおり建物の雰囲気に良く、公的な施設のためレンタル料も安いのが魅力です。また、イベントや講座を開催できる研修室もあります。

2位は、1Fに「SIAFラウンジ」があること。SIAFとは札幌国際芸術祭の略称。2014に札幌市が主催した国際芸術祭です。それに関した資料がここで自由に読むことができます。また、SIAFに関連したイベントや、展示の企画もおこなっています。札幌国際芸術祭は2017年に2回めを予定しており「SIAFラウンジ」今後も注目の場所だといえま。

4位は最後に、個人的には本施設では一番好きなのが「おおば比呂司記念室」。本作家で一番作品で知られているのは、ホテイの焼き鳥の缶詰のイラストだろうか。コンパクトなギャラリーであるが、本作家の表現力の素晴らしさがわかる展示になっている。おおば比呂司の作品構成力、デフォルメのセンスの良さ、ユーモア。本当に素晴らしい。これは、僕はアートやデザインが好きな人には必ずこの展示を観ることをおすすめしている。

僕はこの建物は素敵なアートの「迷宮」だと思っている。アーティストの展示があり、札幌国際芸術祭の資料があり、おおば比呂司の作品がある。でも、法廷もある。そして、大抵静かな空間が作られている。ここに行くと、外の時間の流れを感じられない素晴らしい迷宮なのだ。月曜日を除く9時から19時まで開館していますよ!

 Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


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